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低軌道汎用実験システム技術

背景・目的

2030年の国際宇宙ステーション運用終了後(ポスト ISS)の地球低軌道では、サービスの利用主体が官から民へ移行するとともに、民間企業等による微小重力環境を利用した宇宙実験市場が拡大していくことが予想されています。こうした中、米国や欧州では、民間企業がサービスを提供する形でISSでの宇宙実験を実施し、利用者を獲得しているほか、中国も独自の宇宙ステーションにおいて利用者を公募する形の実験に取り組んでおり、ポストISSに向けた利用者の獲得競争がはじまっています。

我が国は、国際宇宙ステーション(ISS)計画への参加と日本実験棟「きぼう」における宇宙実験の推進により、微小重力環境を利用したタンパク質結晶生成技術や、細胞立体培養等細胞医療研究支援技術、静電浮遊炉を用いた材料研究支援技術など、これまでに独自性の高い技術を獲得しており、ポストISSにおいても引き続き我が国が宇宙実験を実施できる環境を確保し、これらの技術を利用・発展させることが重要です。

なかでも、ライフサイエンス系の宇宙環境利用については、需要が大きいことが見込まれている一方で、民間企業等が微小重力環境を利用した実験を行うためには、それぞれの実験内容に応じた専門的な実験装置を都度準備する必要があり、実験実施までの準備期間や高額な費用といった課題が存在します。さらには、実験実施には宇宙飛行士の多くの作業時間が必要となることも、宇宙環境利用における高いハードルとなっています。

そのため、ライフサイエンス系分野において、実験の自動実施、最適な実験条件の自律的設定や遠隔実施等により、効率的かつ多様な実験ニーズに応える汎用実験システム技術を開発し、これまでISSで培ってきた宇宙実験に係る技術を利用・発展させるとともに、ポストISSにおける我が国の民間事業者による宇宙実験市場の獲得を加速させることが重要です。そこで本テーマでは、上記の汎用実験システム技術を開発するとともに、当該技術の現行ISSにおける軌上実証を行うことにより、ポストISSにおける我が国の民間事業者の地球低軌道を活用したビジネスの創出を進めます。


【参考】関連する宇宙技術戦略の記載(抜粋)

「きぼう」を通じて培ってきた優位性の高い宇宙実験コア技術としては、タンパク質結晶生成等創薬を支援する技術、小動物飼育実験などの健康長寿研究支援技術、細胞立体培養等の細胞医療研究支援技術、静電浮遊炉による無容器処理(るつぼ等の容器を使用せず物質を浮遊させて溶融・計測等を行うこと)などの革新的材料研究支援技術、固体材料可燃性・液体燃料燃焼実験技術、重力発生・可変技術などがある。宇宙空間では、微小重力や放射線環境など、地球とは環境が異なるため、これらを活かし、地上では実施することが不可能な特殊な実験を行うことが可能である。上記の各技術はそれらを可能とするため、ISS計画への参加を通じて独自に開発・成熟させてきたものである。社会課題解決に関する研究ニーズや事業化につながるシーズなどを見定めつつ、引き続き、世界をリードする成果を創出する実験環境を生み出す研究開発を不断に行うことが非常に重要である。 民間主体の活動に移行すると想定されるポストISSにおいては、日本が培ってきた宇宙実験技術を、軌道上拠点を運営する企業に対して継承しつつ、民間企業のアイデアや自動化技術の採用などにより実験の実施や実験前後のサンプルやデータの処理等を自動化する宇宙実験効率化技術等も取り入れ、高い頻度での成果創出を可能とする事業性の高いシステムとして整備していくことが非常に重要である。(3.IV.(2)④ⅱ)

資料

公募要領

提案書様式1-14

提案書様式8 別紙1

提案書様式8 経費内訳(a.総表シート)

提案書様式8 経費内訳(c.補助金(税抜)シート)

※提案書様式8 経費内訳は旧様式で加工されたものでも問題ありませんが、打上げ経費を計上する場合は新様式を使用することを推奨します

※委託契約に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください

募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。

公募説明動画

宇宙戦略基金事業 公募説明

宇宙戦略基金事業 公募説明


低軌道汎用実験システム技術

低軌道汎用実験システム技術

提出先

本事業は、府省共通研究開発管理理ステム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。

採択決定までのスケジュール

  • 公募開始日 2024.07.26
  • 公募締切日 2024.09.12
  • 採択結果