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高精度衛星編隊飛行技術

背景・目的

通信・観測・測位のあらゆる衛星システムにおいて、小型衛星コンステレーションによる経済・社会的な便益の獲得競争が加速する中、基本方針で定められている「革新的な衛星基盤技術の獲得により我が国の国際競争力を底上げ」するためには、我が国の強みを活かした独自性と革新性のある衛星技術の獲得に挑んでいくことが必要となります。なかでも、複数機の衛星が互いの相対位置・姿勢を制御しながら高精度に協調して飛行する編隊飛行(フォーメーションフライング:FF)技術は、単一衛星や従来のコンステレーションでは成し得なかった高度な要求を実現可能とする技術であり、その高度化によって、通信・観測・探査等の多分野においてブレイクスルーを生み出すことが期待されます。

近年、例えばNASAでは、複数機のキューブサットが自律的に互いの相対位置を把握し、編隊の維持を行う技術が実証されており 、ESAでは、2機の衛星が約150mの相対距離をmm精度で制御しつつ飛行する高精度かつ自律的な編隊飛行技術を実証しつつ、太陽観測を行うProba-3 が計画中であるなど、コンステレーション構築の加速や小型衛星技術の高度化に伴うFFミッションの実現性の高まりを受け、欧米を中心に技術開発の動きが加速しています。

大型衛星を超える性能が期待される小型衛星での高精度編隊飛行技術は、我が国が他国に先行してきた超小型衛星に係る技術との親和性が高く、我が国の衛星基盤技術における競争力確保に向けた次なる一手としても有望な技術です。また、高精度編隊飛行の実現には、衛星間の相対位置を把握し編隊するための、センサ技術や観測データの処理技術、姿勢制御技術、時刻同期技術等の様々な要素技術開発との統合が必要となることから、高精度編隊飛行を利用したミッションの実現を通じて、様々な衛星基盤技術が底上げされることも期待されます。

そこで本テーマでは、高精度編隊飛行技術に係る複数の構想を支援する領域を設定し、産学の野心的な事業やミッションの構想実現に向けた技術開発・実証について、実施機関間の連携や要素技術の共通基盤化等を促しつつ支援することにより、我が国の衛星基盤に係る技術力の底上げを図りつつ、編隊飛行技術において他国を先導する競争力の確保及び既存のシステムでは成し得なかった革新的な成果や事業の創出を目指します。


【参考】関連する宇宙技術戦略の記載(抜粋)

複数宇宙機による高度な編隊飛行の実現にあたっては、宇宙機間の相対位置を把握し編隊するための姿勢制御技術やセンサ技術、データ処理、時刻同期技術、複数宇宙機の自律的運用のための衛星間通信や衝突回避等の運用技術、これらの地上試験技術やシミュレーション技術等の様々な要素技術の開発と結合が非常に重要である。(5.(2)⑤ii)

資料

公募要領

提案書様式1-14

提案書様式8 別紙1

提案書様式8 経費内訳(a.総表シート)

提案書様式8 経費内訳(c.補助金(税抜)シート)

※提案書様式8 経費内訳は旧様式で加工されたものでも問題ありませんが、打上げ経費を計上する場合は新様式を使用することを推奨します

※委託契約に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください

募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。

公募説明動画

宇宙戦略基金事業 公募説明

宇宙戦略基金事業 公募説明


高精度衛星編隊飛行技術

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提出先

本事業は、府省共通研究開発管理理ステム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。

採択決定までのスケジュール

  • 公募開始日 2024.08.07
  • 公募締切日 2024.09.30
  • 採択結果