• 衛星等

商業衛星コンステレーション構築加速化

背景・目的

多数の衛星を軌道上に配備し複合的にミッションを実現する「衛星コンステレーション」は、大型衛星1機でミッションを実現する従来のパラダイムを変革し、地球観測衛星分野においては1機では実現困難な観測頻度、観測精度の同時向上を実現し、また通信分野においては静止衛星では実現不可能な低遅延・リアルタイム通信を実現するなど、新たな価値創出を牽引してきた。このような大規模な衛星コンステレーションによる高頻度・高精度な地球観測インフラや、大容量・低遅延な通信ネットワークの実現に向けて、各国で商業プレイヤーによる競争が激化しており、地球観測では百機以上、通信では数千機以上の大規模な衛星コンステレーション事業が展開しています。このような中、我が国でもスタートアップをはじめとした民間事業者が民間市場における資金調達を活用しつつ衛星コンステレーションの構築を進めており、政府としても、高頻度実証・量産化技術の確立・商業化加速に向けた更なる支援の強化を行うことが非常に重要です。

特に、我が国においては、衛星間や軌道間及び宇宙と地上を結ぶ光通信ネットワークシステム基盤技術開発の蓄積や、多様なセンサを搭載した観測衛星製造・運用・解析の経験の蓄積があり、衛星コンステレーションスタートアップ企業や非宇宙領域のプレイヤーも含めたエコシステムを形成しています。こうした我が国の強みを活かしながら、新たな市場を形成していく必要があります。

こうした中、我が国でも技術に強みを持ち、衛星コンステレーション構築を目指す事業者が、量産・打上げ等のスピードを加速させ、国際市場への展開も見据えた衛星コンステレーションの構築を早期に実現できるよう、その技術開発を支援します。

【参考】関連する宇宙基本計画や宇宙技術戦略の抜粋
宇宙基本計画(令和5年6月13日 閣議決定)
(2)ⅱ.(b)リモートセンシング

小型衛星コンステレーションの構築の進展や新たなセンサの開発等により、地球観測衛星の時間・空間・波長分解能が高まると同時に、ビッグデータ処理及び人工知能といったソリューション技術が発展する中、地球観測衛星のデータとドローンのデータ、IoTデータ、気象データ、海洋データ、その他の地上で得られるデータ等を組み合わせることにより、幅広いアプリケーション・サービスを実現し、防災・減災、国土強靱化及び地球規模課題への貢献や民間市場分野におけるイノベーションの創出を図っていく。(後略)

宇宙技術戦略
2.Ⅰ.①衛星間や軌道間及び宇宙と地上を結ぶ光通信ネットワークシステム ⅱ.技術開発の重要性と進め方

(前略)光通信ネットワークの早期の社会実装を目指し、コンステレーションの構築を進めることが非常に重要である。(後略)

2.Ⅲ.②時間情報を拡張するコンステレーション技術等 ⅱ.技術開発の重要性と進め方

(前略)小型衛星コンステレーションは、高頻度(アジャイル)に開発・実証を繰り返す中で、高分解能化、観測幅拡張等、機能・性能を段階的に向上させ、かつ十分な数の衛星を打ちあげることで初めて高頻度・高精度観測という価値が生み出せるため、深い「死の谷」を越えるための大きな先行投資が必要となる。上記の国内スタートアップ企業は、主に上場を含めた民間市場における資金調達によって先行投資を進めているが、激化する国際競争環境を踏まえれば、このような民間エコシステムをうまく活用しつつも、政府としては可能な限り早期に利用省庁・関係機関によるアンカーテナンシーの可能性を追求するとともに、高頻度実証・量産化技術の確立・商業化加速に向けた更なる支援の強化が非常に重要である。

さらには、国内の小型衛星コンステレーションが世界の技術・ビジネスに後れを取らぬよう、多種衛星の協調観測技術や運用自律化技術を含むコンステレーション技術、光通信技術等による高速・高頻度ダウンリンク技術、IoTを活用した地上リファレンスデータ取得等によるスマートタスキング技術、データ取得と同時にデータ解析を行うオンボードエッジコンピューティングの高度化や省電力化、複数の観測衛星で撮像したデータとGEOやLEOのデータ中継衛星に配置されたエッジコンピューティング機能と連携して処理する技術、衛星システムの小型軽量化・低価格化について、ユースケースや産業界のニーズを踏まえつつ総合的に取り組むことが重要である。(後略)

2.Ⅲ.④波長・周波数情報を拡張するセンサ開発技術 ⅱ.技術開発の重要性と進め方

(前略)世界に先駆けて高感度の多波長データの取得を進めているハイパースペクトルセンサ「HISUI」を活用した多波長データの利用実証を各分野で進めて知見を蓄積するとともに、HISUIのデータ取得頻度を補完できる小型・高感度の多波長センサの開発・実証の2027年度までの実施を着実に進めることは非常に重要である。海外スタートアップ企業による小型多波長衛星の打上・実証や、欧州の宇宙機関を中心に多波長分野のルールメイキングに関する議論が始まる中、さらに、こうした我が国の経験の蓄積を活かし、小型・高感度の多波長センサを搭載したコンステレーションの構築に取り組むことで得られる広域かつ高頻度な多波長データを活用し、上記のカーボンプライシング、ESG、自然資本等の国際市場を金融機関等と連携しつつ早期に獲得するための取組を進めることが重要である。(後略)

資料

公募要領

提案書様式1-14

提案書様式8 別紙1

提案書様式8 経費内訳(a.総表シート)

提案書様式8 経費内訳(c.補助金(税抜)シート)

※提案書様式8 経費内訳は旧様式で加工されたものでも問題ありませんが、打上げ経費を計上する場合は新様式を使用することを推奨します

※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください

募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。

公募説明動画

宇宙戦略基金事業 公募説明

宇宙戦略基金事業 公募説明

商業衛星コンステレーション構築加速化

商業衛星コンステレーション構築加速化

提出先

本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」で応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。

採択決定までのスケジュール

  • 公募開始日 2024.07.05
  • 公募締切日 2024.08.30
  • 採択結果