• 衛星等

衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証

背景・目的

衛星コンステレーションの構築をはじめとして、多くの衛星を軌道上に配備する需要が増加する中で、多種多様な衛星の量産化が重要となっています。これに伴い、衛星のサプライチェーンを構築する部品・コンポーネントの供給体制の確立が求められています。また、衛星ミッションの高度化が進む中で、これを支える高機能・高性能な部品・コンポーネント技術が求められています。こうした技術は自律性の観点からも重要です。

令和6年3月に策定された宇宙技術戦略においても、我が国の衛星基盤技術の将来像として、共通となる基盤技術について継続的に開発に取り組み、海外と同等以上のQCDQuality, Cost, Delivery)能力を維持・向上していくこと、衛星サプライチェーン構造の改革やバリューチェーン構造の構築を行い、我が国の宇宙産業エコシステムを再構築し、更に発展させていくことが掲げられています。

一方で、現状の衛星サプライチェーンには様々な課題が存在します。例えば、部品やコンポーネントが精度・効率・寿命・消費電力・出力等の機能・性能において、ユーザの要求水準に達していないものや、製品の機能・性能としては成熟していても、価格や納期、調達自在性等の観点から課題のあるものが存在し、これらの課題が、今後の衛星のシステムとしての機能・性能向上や量産化に向けたボトルネックとなっています。

これらの課題を解消するため、本テーマでは、ユーザニーズに応える部品・コンポーネントの機能・性能向上や、QCDの課題解決に必要な技術開発を支援します。これにより、我が国の衛星システム全体としての自律性や競争力の強化を支えるとともに、技術優位性を持つ部品・コンポーネント単位での国際競争力獲得を目指していきます。


【参考】関連する宇宙基本計画や宇宙技術戦略の抜粋
宇宙基本計画
4.(4)(c) 技術・産業・人材基盤の強化
【宇宙技術戦略の策定・ローリング】

宇宙技術戦略を策定・ローリングし、これを踏まえ、先端・基盤技術開発の一層の強化と、民間を主体とした商業化に向けた技術開発の支援を進めていく。

当該戦略策定においては、我が国の強みを強化していくことに加え、我が国の自律性を強化するための技術を特定し、これを踏まえて開発を推進していく。サプライチェーン上のクリティカルコンポーネントを特定し、必要に応じて国産コンポーネントの開発を実施していく。(内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、防衛省等)


宇宙技術戦略
2.V.(1)将来像

諸外国や民間による宇宙活動が活発化し、競争環境が厳しくなる中、我が国の宇宙活動の自立性を将来にわたって維持・強化し、先に記したⅠ~Ⅳの衛星ミッションを軌道上で実現させるため、共通となる基盤技術について継続的に開発に取り組み、海外と同等以上のQCD(Quality, Cost, Delivery)能力を維持・向上していく。加えて、技術成熟度が低い先端技術の開発にも継続的に取り組み、技術・産業・人材基盤の強化を図ることで、衛星サプライチェーン構造の改革やバリューチェーン構造の構築を行い、我が国の宇宙産業エコシステムを再構築し、更に発展させていく。


2.V.(2)環境認識と技術戦略

衛星基盤技術は、衛星システム技術とサブシステム技術より構成され、サブシステム技術は大きくデータ処理系、電源系、姿勢系、推進系、熱制御系、構造系、計装系、地上系から構成される。また、DX等による非宇宙分野の開発・製造プロセスの変革を踏まえながら、衛星開発・製造プロセス自体の変革にも取り組む必要がある。

衛星のシステムとしての性能は、ボトルネックとなる技術によって決まるという性質を有していることに留意しながら、衛星の共通となる基盤技術開発に取り組んでいく必要があるが、基盤技術は技術分野が多岐にわたり、コモディティ化している技術も存在する。限りある開発リソースの投入にあたっては、開発項目の選択と集中を行い、効率的に衛星基盤の強化と利用拡大の好循環を創出していく。

このため、1.(2)で示した重要技術の評価軸に基づき、衛星基盤技術の開発の重要性を総合的に評価してスクリーニングを行った。衛星の基盤技術としては、衛星の機能高度化と柔軟性を支えるSDS基盤技術、小型衛星コンステレーション等の衛星の小型軽量化とミッション高度化を支える電気系技術と機械系技術、衛星の運用及び地上局効率化を支える地上システム基盤技術を特定した。(後略)


5.(2)④開発サイクルの高速化や量産化に資する開発・製造プロセス・サプライチェーンの変革 ⅱ.技術開発の重要性と進め方

(前略)開発サイクルの高速化に向けては、我が国においてはJAXAを中心にMBSE/MBD、デジタルツイン等のデジタル技術を活用した開発プロセスの検討が進められている状況であり、これを着実に進めるとともにアーキテクチャの標準化を進めるなどにより下流設計・実装により踏み込む形で、今後、実設計への適用を進めていくことが非常に重要である。(中略)

宇宙機の量産化に向けては、前述のとおり、小型衛星コンステレーション構築に向けて激化する国際競争環境を踏まえれば、民間市場における資金調達をうまく活用しつつも、政府としては可能な限り早期にアンカーテナンシーの可能性を追求するとともに、高頻度実証・量産化技術の確立・商業化加速に向けた更なる支援の強化が非常に重要である。

また、衛星やロケット等のサプライチェーンを継続的に支え、増加する需要に応えていく上で、要求されるQCDを満たすコンポーネントや部品、材料の量産化技術の開発に取り組むことが非常に重要である。

さらに、複数の宇宙機で汎用的に利用できるコンポーネントやソフトウェア等を実現するCOTS品の宇宙機への適用拡大に向けては、耐放射線性、耐真空性、耐熱性、及び耐衝撃性等の環境試験、信頼性評価、対策等に取り組む必要がある。また、宇宙機製造機数の増加も見込まれる中、国内の各種環境試験設備が不足しており、これを解消することも喫緊の課題である。したがって、試験手法の最適化や効率化、試験結果や各種ノウハウを業界内で共有する仕組みの構築等を進めるとともに、新たな試験装置の導入も非常に重要である。(後略)

資料

公募要領

提案書様式1-14

提案書様式8 別紙1

提案書様式8 経費内訳(a.総表シート)

提案書様式8 経費内訳(c.補助金(税抜)シート)

※提案書様式8 経費内訳は旧様式で加工されたものでも問題ありませんが、打上げ経費を計上する場合は新様式を使用することを推奨します

※委託契約・補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください

募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。

公募説明動画

宇宙戦略基金事業 公募説明

宇宙戦略基金事業 公募説明


衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証

衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証

提出先

本事業は、府省共通研究開発管理理ステム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。

採択決定までのスケジュール

公募開始  2024年08月23日

公募締切  2024年10月24日(正午)

ヒアリング 2024年11月下旬から12月頃(予定)

※スケジュールに関するお問い合わせにはお答えできません。
※(予定)と記載されたスケジュールは変更になる場合があります。