• 宇宙輸送

宇宙輸送システムの統合航法装置の開発

背景・目的

我が国の宇宙輸送能力の強化に向けては、様々な宇宙輸送システムに必要な基盤技術やキーコンポーネントの国産化・高機能化・高性能化・量産化等のために必要となる技術の開発・実証が重要です。

軌道投入ロケットにより打上げサービス事業を実現するには飛行安全管制が必須です。従前は地上局との無線通信を用いてロケット位置速度の計測や機体の状況監視を行い、遠隔で飛行中断を指令する飛行中断システムと地上の計算機による飛行安全管制システムを運用して安全の確保を行ってきましたが、位置速度計測と機体の状況監視、飛行安全判断を行う機能をオンボード搭載して自律飛行安全管制を実現することで、地上システムの運用維持コストを軽減し、地上局可視性から生じる飛行経路制約を緩和することができます。このため、米国のロケットではオンボード自律飛行安全技術の搭載が普及しつつあり、我が国においても近年導入が進みつつあります。打上げ輸送サービスの競争力を高める上で、民間小型ロケット含め、高性能な自律飛行安全システムを搭載する需要が高まっています。 

本テーマでは、ロケット飛翔中の機体の位置速度を計測する機能と、自律飛行安全管制の判断に必要な高度な計算機の機能を統合させて1ボックスの搭載コンポーネントで実装する統合航法装置を開発し、小型で低コストの機器として民間小型ロケット含め広く共通的に利用可能とすることを目指します。また、自律飛行安全管制の実現には、異常な飛行が生じたときに確実に飛行中断の判断を実施できること、ミッション達成の観点では、飛行中の外乱があったとしても軌道投入までの飛行が成立する場合は飛行中断指令を起こさないことを、ロケット打上げの前段階で予め検証しておくことが重要ですが、このようなロケットの異常ケースに対する動作検証は、正常に飛行しているロケットへの搭載飛行実証では網羅しきれません。このため、機体の異常も含めて様々な飛行ケースを地上で網羅的に模擬動作させて検証を行うことができる共通基盤的な試験検証プラットフォームを開発することで、打上げサービス事業者が自律飛行安全管制システムを導入する際の技術的なハードル、投資負担を軽減し、コスト、技術面でのリスクの低減を実現します。 

【参考】関連する宇宙基本計画や宇宙技術戦略の抜粋 
宇宙技術戦略 
4.(2)ⅱ.④その他の基盤技術  

従来、地上で人の判断により行っていた飛行安全管制については、オンボード自律飛行安全技術を実用化することにより、ロケット機体側で自律的・自動的に判断を実施する自律飛行安全を実現し、地上の管制設備・管制要員・運用コストの大幅な縮減やロケット飛翔時の安全確保が期待され、非常に重要である。オンボード自律飛行安全技術については、我が国では、H3 ロケットや一部の民間ロケットへの適用が計画されており、民間ロケットなどに向けた自律飛行安全管制ソフトウェアを搭載した高機能な次世代航法センサの開発や大幅に事前解析作業を効率化する自律飛行安全のアルゴリズム、高性能搭載計算機の研究開発などを進める。また、アビオニクス機器の小型化技術は、これまで我が国が基幹ロケットで培ったアビオニクス機器に関わる技術を、民間ロケットを含めた複数のロケットで共通して利用することを可能にするとともに、機器の製造数量の拡大によるサプライチェーンの強靭化が重要である。さらに、将来の打上げの高頻度化に向けて、多くの計算時間を要する打上げミッション解析の自動化・共通化による高速化など、打上げ運用の効率化技術が重要である。(後略) 

資料

公募要領

提案書様式1-14

提案書様式8 別紙1

提案書様式8 経費内訳(a.総表シート)

提案書様式8 経費内訳(c.補助金(税抜)シート)

※提案書様式8 経費内訳は旧様式で加工されたものでも問題ありませんが、打上げ経費を計上する場合は新様式を使用することを推奨します

※委託契約に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください

募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。

公募説明動画

宇宙戦略基金事業 公募説明

宇宙戦略基金事業 公募説明


宇宙輸送システムの統合航法装置の開発

宇宙輸送システムの統合航法装置の開発

提出先

本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。

採択決定までのスケジュール

公募開始  2024年07月19日

公募締切  2024年09月05日(正午)

ヒアリング 2024年10月28日

採択結果  2024年11月15日