• 宇宙輸送

宇宙輸送機の革新的な軽量・高性能化及びコスト低減技術

背景・目的

ロケット打上げ需要の拡⼤とともに国際的な宇宙開発競争が激化する中、基本⽅針で定められている「低コスト構造の宇宙輸送システムを実現」することや「新たな宇宙輸送システムの実現に必要な技術を獲得し我が国の国際競争⼒を底上げ」するためには、ロケット等の宇宙輸送機の機体、エンジン・タンク、これらの部品の軽量化・⾼性能化、コスト低減を実現するブレイクスルー技術の獲得が必要である。例えば、これまで⾦属材料を⽤いて製造してきたロケットの⼤型推薬タンク・推薬配管等に対し、いまだ本格適⽤が進んでいない熱可塑性複合材(CFRP等)を適⽤することで、機体の軽量化を図りつつ、コスト低減はもとより⽣産性向上が期待できる。また、エンジンの精密部品や機体の⼤型部品等の製造において⾦属3D積層技術を導⼊することで、製造のコスト低減と期間短縮が期待できる。

このため、宇宙輸送機の⼤型構造体や部品における、熱可塑性複合材の適⽤拡⼤を通じた⾰新や、⾦属3D積層技術の活⽤拡⼤を通じた⾼品質化と造形プロセスの⾰新を図るための基盤技術の確⽴に取り組む。なお、本テーマの推進に際しては、複数の⺠間企業やアカデミアとの連携体制が構築されることで、我が国において、獲得した基盤技術に係る知⾒やノウハウが蓄積・共有されるとともに、宇宙輸送機以外の宇宙機への適⽤等につながることも期待される。

(参考)宇宙技術戦略での記載

  • 3Dプリンタを活⽤したロケットの⼤型構造体(ロケットエンジン、⼤型タンク部品等)の製造技術である3D積層技術については、複数部品の⼀体成型や従来の⼯程では製造・加⼯ができない軽量化形状が可能となるため、製造期間短縮や製造コスト低減、機体軽量化による打上げ能⼒向上が期待されるため、⾮常に重要な技術である。(4.(2)ⅱ②)
  • CFRP等の複合素材を⽤いたロケットの構造体の成型技術である複合素材成型技術についても、これまで重量のある⾦属を⽤いて製造してきたロケット構造体を軽量化することが可能になり、機体軽量化による打上げ能⼒の向上が期待されるため、⾮常に重要な技術である。(4.(2)ⅱ②)

本テーマの目標

基本⽅針で定められている「低コスト構造の宇宙輸送システムを実現」すること等に向けて、2028年度までに、以下を⽬標とする技術開発を推進する。
(いずれもTRL4相当の完了)

  1. 将来の宇宙輸送機に適した、⾼品質かつ低コストな複合材構造体・部品を実現するための基盤技術を確⽴する。ロケットの⼤型極低温推薬タンク・配管等への熱可塑性複合材の適⽤を実現することで、ロケット機体質量を、従来ロケット※1の1/2以下とすることを⽬標とする。
  2. ⾦属3D積層技術のロケット構造体・部品への適⽤拡⼤を通じた品質向上と造形プロセスの⾰新を実現する基盤技術を確⽴する。以下の2つの取組を通じて、⾦属3D積層技術の精密形状・⼤型対応等を実現することで、部品等の製造期間及びコストを、従来のロケット製造※2と⽐較し、1/2以下とすることを⽬標とする。
  • B-1 ロケットエンジン等の⼤型かつ精密さを重視する宇宙部品の⾦属3D積層による製造技術を確⽴するとともに、これらの製造を可能とする⾦属3D積層装置の基盤技術を確⽴する。
  • B-2 ⼤型タンク部品等のロケット⽤⼤型構造部品の短期間製造を可能とする⼤型の⾦属3D積層技術を確⽴する。

※1 ⾦属タンクを⽤いた基幹ロケットを参考。
※2 基幹ロケットのタンク部品及び1段エンジン(100トン級)の3D積層造形でない部品を参考。

技術開発実施内容

  1. 熱可塑性複合材を適⽤した⼤型部品の⾼品質化に係るシミュレーション技術を構築し、これを基にした⾼品質かつ低コストな成型や品質保証のための⾮破壊検査等に係る技術開発を⾏う。
  • B-1 ⼤型エンジン⽤部品などの精密部品を、安定的かつ⾼品質に製造可能とする、⾦属3D積層造形装置及び造形プロセス・積層⼿法等に係る技術開発を⾏う。
  • B-2 ロケット⽤⼤型構造部品などの⼤型部品を、⾼品質かつ短期間に製造を可能とする、造形プロセス・積層⼿法等に係る技術開発を⾏う。

支援のスキーム

  • 1件あたり⽀援総額:A)40億円程度、B-1)50億円程度、B-2)30億円程度(いずれも上限)
  • 採択予定件数:A)1件程度、B-1)1件程度、B-2)1件程度
  • ⽀援期間:5年程度(最⻑)
  • ⽀援の枠組み:C
  • 委託補助の別:委託
  • ステージゲートの有無:有(3年⽬を⽬途に実施)

技術開発実施体制

基本⽅針で定められている技術開発実施体制に加えて、テーマA、Bのそれぞれにおいて、以下を満たす企業等を想定。

  1. 獲得した製造技術の適⽤先を多様に想定し、製品販売ビジネス構想を有するとともに、アカデミア等と連携した技術開発や、将来的な複数のユーザー企業からのフィードバックを踏まえた技術開発を進め、協調領域における知⾒共有を可能とすること。
  2. 獲得した製造技術の適⽤先を多様に想定し、製品販売ビジネス構想を有するとともに、アカデミアや、将来的な複数のユーザー企業等と連携しつつ、ロケット部品に適⽤可能な製造基盤技術の獲得を進め、協調領域における知⾒共有を可能とすること。

評価の観点

採択にあたっては、基本⽅針で定められている技術開発課題選定の観点に加えて、テーマA、Bのそれぞれにおいて、以下の観点等を評価する。

  1. シミュレーション技術も含め、必要となる技術開発要素を特定し、適切な推進体制の下、これに効率的に取り組む計画であるか。
  2. 適切な推進体制の下で、サプライチェーンの確保策や、具体的な品質確保の⽅策も含めた計画となっているか。

ステージゲートにおいては、以下の観点等を評価する。

  1. 極低温推進薬に対応するロケットの⼩型タンク・配管等のプロトタイプが製造可能であり、⼤型タンクの試作製造の実現性を⽰すことができるか。
  • B-1 ⼤型造形装置により、エンジン⼤型部品等の1次試作を完了し、実機試作の実現性を⽰すことができるか。
  • B-2 ⼤型造形装置により、⼤型タンク部品等の1次試作を完了し、実機試作の実現性を⽰すことができるか。

研究開発スケジュール

    採択にあたっては、基本⽅針で定められている技術開発課題選定の観点に加えて、テーマA、Bのそれぞれにおいて、以下の観点等を評価する。

    1. シミュレーション技術も含め、必要となる技術開発要素を特定し、適切な推進体制の下、これに効率的に取り組む計画であるか。
    2. 適切な推進体制の下で、サプライチェーンの確保策や、具体的な品質確保の⽅策も含めた計画となっているか。

    資料

    公募要領 A)シミュレーションを活用した熱可塑性複合材に係る基盤技術開発

    公募要領 B-1)宇宙用途に適用可能な精密部品を対象とした金属3D 積層に係る装置開発及び基盤技術開発

    公募要領 B-2)ロケット用大型構造部品を対象とした金属3D 積層に係る装置開発及び基盤技術開発

    提案書様式1-14 A)

    提案書様式1-14 B-1)

    提案書様式1-14 B-2)

    提案書様式8 別紙1

    提案書様式8 経費内訳

    委託契約書(案)
    様式1 委託業務完了届
    様式2 委託業務実績報告書
    様式3 成果報告書(概要版)
    様式4 委託事業遂行状況報告書
    様式5 額の確定通知書
    様式6 取得財産等管理台帳
    様式7 研究開発成果公表申請書
    様式8 知的財産権届出書
    様式9 委託業務遅延報告書
    様式10 委託業務事故報告書
    様式11 技術開発計画 変更承認申請書
    様式12 出願費用支出申請書
    様式例_選定理由書

    宇宙戦略基金事務処理マニュアル(委託・補助共通)

    宇宙戦略基金における研究公正について


    募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
    本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。


    更新履歴

    2024.7.10 公募要領 3.(1)2行目の⑧を⑦に修正
    2024.7.5 公募要領 B-1)及びB-2) 2.(10) 所属を公募要領 A)の表記に統一
    2024.7.5 委託契約書(案) 第7条第4項及び第5項を追加、第56条を修正

    提出先

    本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」で応募を受け付けます。
    詳細はこちらをご確認ください。

    採択決定までのスケジュール

    • 公募開始日 2024.07.05
    • 採択結果