- 衛星等 (第二期)
衛星光通信を活用したデータ中継サービスの実現に向けた研究開発・実証
背景・目的
地球観測衛星の撮像データの大容量化やリアルタイム送信需要の拡大等により、宇宙空間のデータを地上に大容量かつ迅速に伝送する必要性が高まっています。この伝送手法は様々なものが考えられますが、地球観測衛星が主に配置される低軌道では地上との位置関係によって伝送時間等に制約が生じるところ、地上との位置関係に関わらずデータの伝送が可能な静止軌道に衛星を配置し、データを中継して伝送することは有望な手法の一つと考えられています。
このようなデータ中継は、海外においても実現に向けた検討が行われており、複数の事業者がサービス提供を検討しています。我が国の事業者がデータ中継サービスを実現し提供することは、成長が期待される市場を獲得することに加え、宇宙空間における情報の流通を我が国として管理する観点からも重要であり、海外の事業者に後れを取ることなく提供開始に向けた取組を進める必要があります。さらに、衛星通信においては利用可能な周波数資源がひっ迫しているところ、国際周波数調整を行うことなく高速・大容量通信が可能な光通信が注目されており、光通信を使用したデータ中継サービスは、高い競争力を有することが期待できます。
軌道を跨ぐ衛星間での光通信については、我が国では2024年にJAXAが静止軌道に配置する光データ中継衛星と低軌道を周回する観測衛星との間で1.8Gbpsの実証試験に成功するなど一定の成果を上げている一方で、民間企業による商用化の取組はなく、技術的・経済的に確立させることが課題となっています。
このような衛星光通信の課題に加え、データ中継サービスの提供に当たっては、複数のデータ中継衛星と複数の顧客の衛星が、様々な高度及び軌道面で接続することとなるところ、安定的なサービスの提供のためには、各衛星の位置等を踏まえたネットワークの切り替え等の制御を可能とするシステムが必要となります。データ中継サービスにおける衛星間の通信は、固定したネットワークで常時接続が行われることが基本である地上の通信と異なり、非固定のネットワークで間欠的な接続を前提とするものであることから、地上の通信システムとは異なるシステムを新たに構築する必要があります。
これらを踏まえ、本技術開発テーマでは、静止軌道と低軌道等との間における商用利用が可能な衛星光通信技術の確立に向けた支援を行うとともに、データ中継衛星の運用に際して必要となるネットワークの制御及び監視が可能なシステムを開発し運用を確立するための支援を行い、我が国事業者が提供する宇宙空間におけるデータ中継サービスの実現を目指します。
資料
※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
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提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2025年6月27日
公募締切 2025年8月21日(正午)
一次審査(書面) 2025年9月上旬から10月上旬
二次審査(ヒアリング) 2025年10月中旬から11月中旬
審査結果の通知・発表 2025年11月下旬から12月頃