- 分野共通(第二期)
宇宙機の環境試験の課題解決
背景・目的
宇宙機及びその構成部品・コンポーネント(以下、宇宙機等)が宇宙の過酷な環境やロケットの打上げ環境に対応するためには、放射線試験、熱真空試験、衝撃試験、音響試験等の各種環境試験を行う必要があります。
こうした宇宙機等の各種環境試験に使える設備は国内に点在していますが、試験技術、試験基準、設備、専門人材に関する課題により、衛星コンステレーションの構築をはじめとする宇宙機需要の急増や継続的な宇宙技術の新規開発に伴う試験需要の増加に対して、各種環境試験において試験機会が不足しています。
これら環境試験のうち、宇宙機等に用いられる電子部品および電子部品搭載基板に対する放射線試験については、特に、プロトン・重イオンの加速器を用いたシングルイベント評価の試験機会の不足が課題となっており、現状、既にプロトン・重イオンともに年間約100時間分の試験ニーズに応えられていません。現状の課題の解決に加え、今後、宇宙機等の製造機数の増加が見込まれることや設備が故障するリスクを考慮すると、例えば6年後の試験ニーズに応えるためには、追加でプロトンは年間約300時間、重イオンは年間約1,100時間分の試験時間が必要となります。
また、各種環境試験の効率的な実施にあたり、現状、衛星コンステレーションのように量産を前提とした新たな試験評価の考え方が個社ごとに生まれつつありますが、一方、我が国の宇宙産業で一般的に用いられている試験評価基準は引き続き、政府衛星等の大型衛星向けの試験評価基準が基本となっています。そのため、衛星のミッションやサイズに合わせた最適な試験の実施・評価についての共通認識が形成されておらず、衛星メーカによるCOTS品の宇宙転用の拡大を含めた部品・コンポーネントの調達上の効率性・コスト面の課題、部品・コンポーネントメーカの販路拡大や宇宙産業への新規参入にあたっての障壁となっています。
このため、本テーマでは、宇宙機等の各種環境試験に関する以下を含む課題に対応する技術開発・基盤構築を支援します。
● 試験機会の増加・効率化・低コスト化
● 試験評価基準等の多様化・最適化
● 上記の課題に継続的に対応する産業エコシステムの構築
これにより、衛星コンステレーションの構築をはじめとする宇宙機需要の急増への対応や、新たに開発された宇宙技術の迅速な試験及び利用、COTS品の宇宙転用の拡大、非宇宙産業者の宇宙産業参入につなげ、ひいては我が国の宇宙機等の開発・製造の国際競争力の向上に貢献します。
資料
※委託契約・補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
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提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2025年8月22日
公募締切 2025年10月23日(正午)
一次審査(書面) 2025年10月下旬から11月下旬
二次審査(ヒアリング) 2025年12月中旬から2026年2月上旬
審査結果の通知・発表 2026年2月頃