- 衛星等 (第二期)
国際競争力ある通信ペイロードに関する技術の開発・実証
背景・目的
衛星通信においては、地域や時間帯等に応じた通信需要の変化や衛星通信需要の不確実性の増大に対応が可能な衛星運用が求められるようになっており、衛星の機能を柔軟に調整できるソフトウェア定義衛星(SDS:software-defined satellite)やフレキシブル衛星(flexible satellites)への需要が高まっています。こうした需要に対応するため、海外の衛星ベンダーは、デジタル信号処理技術を用いて軌道上で機能を調整でき、通信衛星の柔軟性をペイロード(ミッション機器)において確保するデジタル通信ペイロードについて研究開発・製造を進めており、複数の受注が既に公表されています。
一方で、我が国ではデジタル通信ペイロードについては未だ商業化に向けた取組には至っておらず、我が国のベンダーが受注に至ったものはありません。衛星通信サービスとして提供可能なサービスの範囲・水準は、通信衛星の処理能力やペイロードの機能に一定程度依拠するところ、高度な機能を有するペイロードの製造・供給基盤を国内に有することは、国際競争力ある衛星サービス・システムの実現及び我が国の衛星システムの自立性確保の観点からも重要です。この観点から、ペイロード等の製造能力を海外に依存することがないよう、我が国における製造・供給基盤を維持・高度化していく必要があります。
高度な機能を有するペイロードの製造・供給基盤を国内に有するためには、まずは機能の高度化の方向が適当である必要があります。今後の衛星通信・通信衛星に求められる要素は、機能の柔軟性の確保のほか、衛星1機当たりの通信容量・通信可能エリアの拡大、周波数のさらなる有効利用の実現、通信セキュリティの向上、衛星光通信への対応など、衛星通信の利用形態によって様々な方向で高度化することが考えられ、こうした需要を的確に見極めた上で取り組むことが必要です。
また、製造・供給基盤の維持・高度化のためには、継続的に通信ペイロードを市場に展開し、利益を生み、新たな投資を企業自ら行い研究開発を進めていくサイクルを構築することが必要です。この観点から、通信ペイロードの高度化を進めるに当たっては、需要に応じた機能を実現することに加えて、価格競争力など、事業性の観点からの優位性も伴っていく必要があります。
これらを踏まえ、本テーマにおいては、我が国として通信ペイロードの製造・供給基盤を維持・強化していくため、国際競争力ある通信ペイロードに関する技術開発について必要な支援を行います。
資料
※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
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提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2025年7月11日
公募締切 2025年9月4日(正午)
一次審査(書面) 2025年9月上旬から10月上旬
二次審査(ヒアリング) 2025年10月中旬から11月中旬
審査結果の通知・発表 2025年11月下旬から12月頃