- 分野共通(第二期)
SX中核領域発展研究「SX-ARK」
背景・目的
我が国の宇宙開発利用の持続的な発展に向けては、現時点では不確実性の高い基盤的な技術シーズや多様で斬新なアイデアを早期に実証し、コアとなる要素技術の実装に向けた予見性を高めていくことで、多様な将来技術を蓄積しつつ、宇宙分野に共通的なブレイクスルーの創出や宇宙産業エコシステムの刷新等につなげていく必要があります。その際、宇宙機を構成する部品・コンポーネントをはじめ、宇宙開発利用を支える要素技術や知見の多くが地上技術の宇宙転用によってもたらされてきたことを踏まえれば、宇宙という特殊環境を想定した技術開発への参入障壁を下げるとともに、同分野でのコミュニティを拡大することで、新規の技術創出と裾野拡大を一体的に加速していくことが重要となります。
そこで本テーマでは、将来の宇宙開発利用における分野横断的なボトルネックの解消等を想定した一定の広がりを持つ領域を設定し、当該領域に係る多様な民間企業・大学等のプレーヤーによる挑戦的・萌芽的な技術開発や早期の実証(PoC:コンセプト実証)を支援するとともに、JAXAによるマネジメントの下、当該領域に係る宇宙分野の技術的知見等が蓄積されていくようなネットワークの構築を推進します。
具体的には、地上とは異なる宇宙の特殊性に対応するための領域として、以下の2領域を設定します。
領域名「熱とデバイスに関する課題解決に向けた革新的技術開発領域」
(略称:「熱とデバイス」領域)
近年、宇宙機の更なる性能向上のため、半導体やバッテリ等のデバイスの高性能化が必要とされている一方で、これに伴う発熱量の増加等、熱制御系に対する要求も多様化・高度化しており、これらの技術は、今後の宇宙開発利用全体のボトルネックとなり得ます。宇宙機用のデバイス開発に際しては、地上の先端既製品を宇宙で実証することのみならず、新たな素材・材料の適用等による耐放射性の向上といった技術革新も期待されます。また、宇宙での熱制御系の開発に際しては、超高真空かつ無重力といった地上とは全く異なる物理法則を前提とした熱設計や排熱システムが必要となることから、軌道上でのデータ取得による理論的な研究や、将来のスタンダードとなり得る斬新なアイデアの実証の積み重ねが重要となります。本領域では、宇宙技術戦略を参照しつつ、いわば表裏一体の関係にもある熱制御の課題とデバイスの高機能化への要請を両立させるための革新的な要素技術の開発及び実証を両輪で推進することにより、宇宙という極限環境に適応した部品開発に係る技術的知見の蓄積やネットワーキングを図りつつ、我が国の宇宙開発利用における横断的な技術力の底上げを目指します。
領域名「運動と制御に関する課題解決に向けた革新的技術開発領域」
(略称:「運動と制御」領域)
高度化する衛星や探査ミッションの達成には、宇宙空間や惑星等における宇宙機の精密かつ安定的な運動制御が必要となります。こうした課題の克服にあっては、自動車部品等をはじめとする地上技術・製品の応用等や、AI等の最新技術の宇宙機への適用によるブレイクスルーが期待されますが、宇宙という極限環境に対応した力学的アプローチには特殊な知見やノウハウが必要となることから、参入障壁の高さが課題です。また、小型ロケットや衛星等の推進力・機動力の革新は、宇宙開発利用にとって欠かすことのできない永続的課題であり、これらの技術力の停滞は我が国の宇宙開発能力の停滞にも直結しうることから、継続的な技術力の底上げと革新が肝要です。本領域では、宇宙技術戦略を参照しつつ、宇宙機やロケットに係る推進系や駆動系、姿勢制御系といった、「運動」を 「制御」するために必要となるシステムについて、新たなプレーヤーの参入も促しつつ、革新的・独創的な要素技術の開発と実証を一体的に推進することで、将来の我が国の強みとなる基盤技術の獲得を目指します。
資料
提案書様式9 別紙2 ※本テーマでは、提案時に参考資料として提出が必要です
※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。
公募説明動画
宇宙戦略基金事業 公募説明
宇宙戦略基金事業 公募説明
SX中核領域発展研究「SX-ARK」
SX中核領域発展研究「SX-ARK」
提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2025年9月12日
公募締切 2025年11月6日(正午)
一次審査(書面) 2025年11月中旬から2026年1月中旬
二次審査(ヒアリング) 2026年1月中旬から2月中旬
審査結果の通知・発表 2026年3月頃