- 衛星等 (第二期)
衛星光通信の導入・活用拡大に向けた端末間相互接続技術等の開発
背景・目的
衛星通信においては、通信需要の増加等を背景に利用可能な周波数資源がひっ迫しており、低軌道衛星コンステレーションの拡大等の影響も相まって周波数に係る国際調整についても長期化・複雑化しています。このような状況の中、国際周波数調整を行うことなく高速・大容量通信が可能な光通信は、今後の衛星通信において重要な役割を果たし得るものとして注目されています。
このように、衛星光通信は、今後、その利用や関連市場の拡大が期待されている一方で、その導入・活用拡大に当たっては様々な制約・課題も存在しています。
その一つとして、今後の市場の飛躍的な拡大を見据えた場合の端末間の相互接続に関する課題があります。衛星光通信において使用する光通信端末は、同一ユーザの衛星光通信システム内で規格化が図られる動きは存在していますが、広く共有された標準が存在するものではなく、製造事業者や規格を横断した十分な相互接続が確保されている状況にはありません。このため、今後衛星光通信の利用が拡大し、複数の衛星・地上局との間で光通信を実施する場合には、それぞれの衛星・地上局に搭載された光通信端末と同一の端末を搭載しなければならない状態となることも予想され、これは、複数の種類の光通信端末を搭載するためのコストや設計上の制約を生じさせることが予想されます。
このような状況は、光通信端末の製造事業者を起点としたロックインを生じさせる可能性があるほか、通信ネットワークの柔軟性・冗長性確保に対する制約となる可能性があり、衛星光通信の導入及び活用を妨げる可能性があります。
また、別の制約・課題として、衛星光通信の軌道位置等の様々な仕様の検討に当たって複雑な計算等が必要であるという課題もあります。衛星光通信においては、非常に高い精度で衛星同士が光通信端末を捕捉追尾する必要があることに加え、衛星姿勢の乱れや衛星の微振動・温度変動が光通信端末に影響を及ぼし得るなど、軌道投入前に様々な要素を検討・計算する必要があります。衛星光通信を活用しようとする事業者は、これらの検討・計算について主に海外の事業者が提供するソフトウェアを用いて行っていますが、これらのソフトウェアは衛星光通信に十分に対応できておらず、その検討等に不確実性と負担を伴うものとなっています。この検討等は、複数の衛星との光通信を目指す場合にはさらに複雑化するところ、今後の衛星光通信の導入・活用拡大を見据えると、さらに大きな負担となることも予想されます。
このような制約・課題を解消し、様々な衛星オペレータ等が衛星光通信を活用するに当たり利用することとなる技術を国内において保有することには、我が国が衛星光通信に関して重要な機器・ツール等の製造能力を保有することに繋がるとともに、機器等の販売を通じて衛星光通信に関する重要な情報等の把握が可能な状態を構築することにも繋がり得るものです。
これらを踏まえ、本テーマにおいては、衛星光通信端末の相互接続の確保に関する技術開発を支援するとともに、衛星光通信に関する軌道投入前の検討等を容易にするためのソフトウェア等のツールの技術開発を支援することにより、衛星光通信の導入・活用拡大に向けた環境を整備することを目指します。
資料
※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。
提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2025年7月11日
公募締切 2025年9月4日(正午)
一次審査(書面) 2025年9月上旬から10月上旬
二次審査(ヒアリング) 2025年10月中旬から11月中旬
審査結果の通知・発表 2025年11月下旬から12月頃