高比推力・長寿命化推進技術に資するTa合金積層造形および耐酸化コーティング開発

2液式ロケットエンジンシステムでは、耐熱合金製燃焼室が必要となる。実績のあるニオブ合金と本合金へコーティングは長納期、高コストが課題であり、金属製Pt-RhとIr-Reのエンジンでは高性能を実現しているが高価かつ活発な応用によって資源口渇を招くことが予測される。本提案では比推力の向上(5%)を目標とし、高融点Ta合金の積層造形とコーティング技術の開発を行う。コーティング技術では簡易かつ欠陥フリーとなるスラリー法を用いてTa合金との良好な密着性と1600℃に耐酸化性を確保可能なコーティング組成とコーティング技術を確立する。Ta積層造形合金は1600℃で組織安定性及び優れた高温特性を示し、コーティング技術が確立され、軌道変換用に適用できれば、高性能・低コスト・調達性・高寿命化の課題を解決できる。耐酸化試験・地上燃焼試験を実施し、将来的な量産製造を見据えた製造技術、品質管理技術を確立する。






超高精度慣性計測装置の社会実装に向けた研究開発

自由落下する試験質量を用いた超高精度慣性センサーの開発について提案する。慣性センサーの高度化は、GPS等に頼らない宇宙機の自律航行技術に直結するため、各国で技術開発が進んでいる。複数宇宙機の高精度編隊飛行においても、宇宙機が個々に自己の運動を検知できれば、全体の統率も容易になる。また欧米では当該技術を搭載した衛星をシリーズ化して継続的に運用し、地球規模の環境問題への取り組みに供している。提案者らはこれまで、このような超高精度慣性センサーの要素技術開発を日本で続けてきた。本提案ではこの知見を産学連携体制のもと昇華して費用対効果を最適化し、日本発の超高精度慣性センサーの社会実装に向けた開発を加速することを目指す。慣性センサーの地上試験設備の開発もあわせて行い、信頼性と再現性のある性能検証法の確立も目指す。





月面土木作業に適した超高真空用油圧駆動アームの開発

月面探査の拡大に伴い資源利用や月面拠点の構築が注目されており、大量のレゴリスを処理する土木作業の発生が予測される。現在、掘削・運搬には電動アクチュエータを搭載した宇宙機が開発されているが、電動方式では掘削力に限界が生じる可能性がある。一方、より高い掘削力を実現する観点から、油圧アクチュエータは有力な選択肢となる。しかし、大気圧用の油圧機構は、動作液から発生する気体の影響により超高真空環境では使用できない。そこで本技術開発では、独自の気体搬送・除去機構と低アウトガス動作液を適用し、超高真空対応の油圧アクチュエータおよび油圧駆動アームを開発する。本技術開発は、「運動と制御」領域が目指す宇宙機開発と、非宇宙分野の技術転用の観点から宇宙産業への新規参入を目指す三洋化成工業が代表を務め、宇宙開発・ロボティクス分野に知見を持つ立命館大学、超高真空潤滑に知見を持つ東京大学と連携して推進する。





細書・異種材レーザDED造形による2液式人工衛星スラスタ製造に関する研究開発

2液式人工衛星スラスタの性能が従来を超えるためには、耐熱合金、中間層、セラミックス層を精密に制御して多層化を可能とする一体化形成技術が有効な手段といえる。産総研では、これまでレーザDEDによる金属材料の細書・複層・異種材造形に成功しており、また、元素組成を制御しながらの精密造形にも成功している。本プロジェクトでは、金属・セラミックス接合に対応した細書・異種材レーザDED造形機の開発により、複雑な自由形状形成時に所望の材料を所望の位置に造形可能とする次世代の2液式人工衛星スラスタの製造技術の確立を目指す。





宇宙機の多様化に適応した高精度小型推進装置を実現するための評価技術構築

宇宙利用領域は月や火星にまで拡大しつつあり、関連するミッションや宇宙機のサイズも多様化が進んでいる。特に、様々な軌道上サービス(軌道間輸送機や推薬補給など)や重力天体離着陸時における精密かつ安定な推力制御の実現を可能とするスラスタのラインナップ拡充が望まれている。想定される運用条件に応じて着火から安定した燃焼への移行を確実に達成することが望まれる。本技術開発課題では、可視化計測技術を適用して製品設計サイクルの効率向上を行う。また、推進薬供給系全体での複雑な推進薬の流動の影響を数値解析で分析し、確実な着火と安定燃焼を達成可能な条件を見極め、検証が必須となる試験条件の絞り込みを可能とする。また、本技術開発では、開発した可視化計測技術、数値解析技術を用いて、宇宙利用が可能なスラスタの開発・製造実績が豊富なIHIエアロスペースとの連携により、現有設備を利用することで効率よく要素技術の検証を行う。





レーザー核融合ロケットにおける比推力 15,000秒の実証

熱マネージメント機能を備えた水電解セルを開発し、エネルギー・物質変換と熱制御を統合した新しい電気化学システムを創出する。従来は放熱すべき対象と考えられてきた熱を化学反応へ有効利用する新しい設計概念を導入し、水電解と再生型燃料電池を組み合わせた宇宙エネルギー循環技術の基盤を構築する。本課題では、(1) 反応効率と熱特性制御を両立する水電解電極の開発、(2) イオン輸送特性を高度化する水電解用隔膜構造の開発、(3) これらを統合した熱マネージメント型電解セルとそのシステム制御技術の開発を推進する。これらの技術を統合し、「熱を捨てる宇宙機から、熱を使う宇宙機へ」のコンセプトのもと、月面探査をはじめとする将来の宇宙利用に向けたエネルギー・熱統合システムの実現に資する基盤技術の確立を目指す。





熱マネージメント型水電解セルの開発

熱マネージメント機能を備えた水電解セルを開発し、エネルギー・物質変換と熱制御を統合した新しい電気化学システムを創出する。従来は放熱すべき対象と考えられてきた熱を化学反応へ有効利用する新しい設計概念を導入し、水電解と再生型燃料電池を組み合わせた宇宙エネルギー循環技術の基盤を構築する。本課題では、(1) 反応効率と熱特性制御を両立する水電解電極の開発、(2) イオン輸送特性を高度化する水電解用隔膜構造の開発、(3) これらを統合した熱マネージメント型電解セルとそのシステム制御技術の開発を推進する。これらの技術を統合し、「熱を捨てる宇宙機から、熱を使う宇宙機へ」のコンセプトのもと、月面探査をはじめとする将来の宇宙利用に向けたエネルギー・熱統合システムの実現に資する基盤技術の確立を目指す。





耐放射線・超低電力CNT マイクロプロセッサの開発

宇宙空間での電子機器に求められる耐放射性、超低消費電力、高性能を同時に実現するカーボンナノチューブ(CNT)マイクロプロセッサの開発を目指す。低欠陥・長尺半導体CNTの分離抽出技術と高密度配向CNT膜の成膜技術の開発に取り組み、移動度と素子電流密度の向上を進め、CNT FETの高性能性と超低消費電力性を実証する。耐放射性については、CNT材料固有の強固な共有結合と微小体積の効果に加え、アレイ状CNT膜による冗長性の付与や、イオン伝導性保護膜によるトラップ電荷遮蔽など、斬新なアイデアにより取り組む。また、放射線の影響をマクロプロセッサのレベルにおいても定量的に評価し、耐放射性の観点からアーキテクチャを新たに開発する。3年間の到達目標として、最先端の国産宇宙用プロセッサと同等の耐放射性と100倍のエネルギー効率をもつ可能性を明らかにすることを目指す。