国内外でSAR衛星コンステレーションの構築が進められているが、ユーザー要求の高まり(高分解能、広域、高頻度観測等)によって衛星の大型化、大電力化が進み、難易度が上がってきている。本課題では、小電力でも高い観測品質の実現が可能な超低軌道(VLEO)への配備を念頭に、安価かつ大量生産が可能なSAR衛星を開発し、編隊飛行・協調運用により上記のニーズに応えつつ、新たな付加価値も合わせて創出する事業構想の実現を目指し、以下の技術開発課題に取り組む。
(1)平面・薄型・広域アンテナ技術を適用した次世代の高機能な合成開口レーダ(SAR)
(2)次世代SARを実装した薄型衛星SAR DiskSatシステム
(3)SAR DiskSatによる超低高度の長寿命運用
本課題で創出する事業は米国機関と連携して日米協力事業として社会実装を目指すものであり、技術実証・事業実証後には当該機関との協業により米国市場への進出を図る。
宇宙空間における物流の世界的拡⼤が進む昨今において、我が国がプレゼンスを発揮していくためには、将来の需要予測に基づく最適な物流経路の算出や経済合理性判断を⾏う、宇宙ロジスティクスの技術が不可⽋である。しかし、宇宙機の経路設計法や需要予測法は独⽴に発展を遂げてきたため、既存技術では宇宙物流の性質を正確に捉えることはできない。本提案では、宇宙空間での物流経路や市場動向を、個別および総合的にシミュレートする解析⼿法を開発する。初めに、地球低軌道から⽉以遠までを対象とした物流需要予測モデル、軌道⼒学に忠実な経路設計法、そして投⼊軌道や推進系種別に応じた輸送機の最適設計法を個別に開発する。次に、学際的⼿法でこれらを統合し、あるシナリオに対する事業成⽴性や経済効果を可視化する統合解析ツールを開発する。多様な事業者の意思決定を⽀援する技術基盤を確⽴し、コミュニティ総意としてのロードマップを構築していく。
軌道上燃料補給技術の世界的な関心が高まっているが、必要となるコア技術開発に着手している組織はまだ限られている状況である。
弊社ではK-Programにおいて既に低軌道(LEO)における化学推進薬(CP)であるヒドラジンの補給が可能なシステムとして、専用バルブを介してサービサー衛星のタンクからクライアント衛星のタンクへ燃料補給する技術検討を開始している。この技術をベースとして、より商業ニーズのある静止軌道(GEO)における電気推進薬(EP)の代表であるキセノンの補給技術の開発を実施する。開発では、効率性/安全性を考慮した燃料移送システムを設計し、地上実証までを行う。
また、SG可判断後には技術開発完了後の軌道上実証に向けた技術開発として、燃料補給サービサー衛星への上位システムの要求を検討し、要求に沿った燃料補給シミュレーションを実施する。同時にデモユニット(EM)の製造・評価を実施する。
軌道間輸送機(OTV)は、宇宙空間の効率的な物流手段として期待される。他方、既存のOTVは、地上にて搭載した積み荷を所定軌道にて分離するロケット延長線上の機能が基本であり、その汎用性と今後のロケット開発・市場需要との整合性に問題を認識する。
これら問題の解決にあたり、本計画ではPhysical AIやロボティクス等の技術も選択肢に含め、宇宙空間にて積み荷を載せる/降ろすという物流手段に必要な汎用性を具現化する自律的RPOD(Rendezvous, Proximity Operations and Docking)等の高度なコア技術及びOTV実証機を開発する。また、開発にあたっては、テーマ(B)/(C)採択事業者と連携のうえ、H3ロケット高度化とも歩調を揃え、技術ロードマップに示す段階的な開発プロセスにより柔軟かつスピード感をもって、開発成果を市場需要に応じて逐次実証する。
本課題は、シスルナ領域やそれ以遠における小型・高頻度のミッション需要に応える超小型の軌道間輸送機(OTV)の開発を目的とする。近年国内外で構想されている、複数ペイロードを一括輸送する大型OTVは、宇宙経済圏における「幹線輸送」としての役割を担う。一方で、科学探査や技術実証、事業等を行う多様なユーザーにとって、開発した小型ペイロードを、柔軟かつ低コストに目的地まで届ける個別の「枝線輸送」が不可欠である。本提案は、東京大学の持つ超小型深宇宙探査機技術と、Pale Blueが世界で唯一軌道上実証済み且つ製品化済みの複数の水推進機の技術を統合し、ペイロードを搭載可能な50〜100kg級の宇宙機として超小型OTVを開発する。これにより、大型OTVがカバーできないラストワンマイル領域を補完しつつ、国際的にも競合の少ない分野で独自性と競争力を発揮し、我が国の宇宙輸送体系に多様性と持続性をもたらす。
弊社は、半世紀以上にわたる宇宙機の開発・製造の実績を基に、本技術開発テーマである「空間自在移動の実現」に向けて軌道間輸送機(OTV)の開発に取り組みます。本技術開発テーマ内の別テーマである「(B)軌道上燃料補給のコア技術開発」「(C)宇宙ロジスティクスの研究開発」の取り組みと連携しながら以下の技術開発を行います。
1.宇宙ロジスティクスにおける事業計画の策定
2.変化対応力と期間短縮に向けたサービス提供プロセスの変革
3.高い輸送効率と拡張性を有した OTV 開発
本技術開発により、「①安価・短納期」「②高自由度の搭載方法」「③輸送期間の短縮」といった成果を獲得し、国際競争力ある OTV を実現することで、弊社の宇宙事業拡大を図るとともに、我が国の宇宙産業発展による宇宙関連市場の拡大、安全保障を含む社会的利益に繋がる国ミッションへの実現、新たなフロンティア開拓に向けた知の探究活動の深化に貢献します。