従来検出が困難だった10cm未満の小型デブリや軌道上物体の詳細形状・物理情報の取得を可能にするため、遠距離から高分解能観測が可能な逆合成開口レーザレーダ(IS技術開発課題の概要AL)技術の実用化を目指す。近年、不審衛星や小型デブリの接近により自衛星周辺の物体詳細情報の把握は衛星運用者のリスク管理に不可欠となっている。本開発は代表機関を中心に大学・企業の産学連携で、高ゲイン撮像、オートフォーカス補正、ハイブリッド対象追尾の各技術を開発・統合し、地上および宇宙実証を行う。出口戦略として、代表機関が展開中の宇宙状況認識情報サービス事業へ本センサ技術を組込み、衛星運用者等に高付加価値な軌道上物体情報を提供し、宇宙安全保障および商業利用の両面で国際競争力強化に貢献する。さらに地上転用による防災・減災分野への貢献も期待される。
本計画は、人工衛星や国際宇宙ステーションにとって危険性が高いサイズのデブリの約90%を占める1~10cmの小型デブリを対象とし、地上レーザーによる除去技術の確立を目的とするものである。必要となる技術は二つあり、①地上から小型デブリを高空間分解で観測する技術と、②地上レーザーにより宇宙デブリの軌道を修正する技術である。観測技術は別途計画中であり、その可能性を見越して、本計画ではレーザーによるデブリ軌道修正技術に特化する。具体的には、「高繰り返しパワーレーザー技術」と「レーザー照射のための適応型制御技術」の開発を推進し、地上レーザーによる宇宙デブリ除去システム実現のための重要な技術課題を解決する。最終的には、これらの技術と、別途開発を計画している「地上レーザーによる宇宙観測システム」の技術を統合し、世界に先駆けて「地上レーザーによる宇宙デブリ除去システム」のプロトタイプ詳細設計へとつなげるものである。
軌道上製造技術は、アンテナを始めとする宇宙構造物の大型化やそれらの製造コスト、期間の削減など、地上製造だけでは成しえない新たな製品価値を生み出す技術として期待されている。しかしながら技術的にはまだ実験室段階にあり、商用化には明確な需要に基づく大規模な投資が必要とされている。このような中、近年、ロケットの輸送能力向上や軌道上製造市場の拡大予想を背景に、衛星機器の軌道上組立やリサイクル等の技術開発が国内外で複数企図され活発化している。本提案では軌道上製造の要素技術として、3D 積層、マニピュレータ、形状計測を挙げ、要素試作により各技術課題の解決を図る。そしてこれらをシステムとして統合し、軌道上暴露環境でのサブスケール実証と地上熱真空環境での実証により、TRL を4 相当まで進めることを目指す。基金終了後は、開発パ―トナーとの実用化開発により2035 年頃の事業化を最終目標とする。
軌道上での利便性を向上させるオンデマンド製造には、設計データのみで部品を製作可能な3D積層造形技術の適用が不可欠である。特に軽量な樹脂材料は、宇宙への輸送コスト削減の観点から利点を有しており、宇宙環境に耐性を有する3D積層造形用ポリマー材料が望まれる。以上の背景を踏まえ、樹脂真球粒子、ポリマー設計技術、炭素繊維を基盤技術として、粉末床溶融結合法(PBF)および6軸材料押出法(MEX)を中心とする装置開発、ならびに後加工による機能付与も含めた用途開発を実施し、軌道上向け樹脂3D積層造形技術を共創する。具体的には、(1)樹脂PBF向け真球粒子による造形物の高品質化、および宇宙用途に適した高機能ポリマー・炭素繊維複合材料の創出、(2)微小重力場である軌道上への適用を目的とした高重力場PBFおよび6軸MEXの装置開発、(3)部品造形やレーザー誘起グラフェンによるデバイス作製を通じて、軌道上における3D積層造形の実施を目指す。
2030年代以降を見据え、安全保障等の官需を含む国内需要に対応可能な製造能力の確保、および海外市場における機器需要の獲得を⽬指す。この実現のため静止軌道等中⾼度軌道を衛星光通信の中継ノードに加えた、以下のA、B、Cの3テーマで国内外調査と課題抽出、競争力獲得のための開発項⽬検討を実施する。A、Bはステップ1、2で、Cはステップ1から3で調査分析し整理する。最終的に、光通信静止衛星バス(中⾼度軌道を含む)の開発指針、開発項⽬詳細、実現性の検討と整理を行う。市場ニーズへの対応が事業として急務であれば開発計画を整理して行く。
A. 静止衛星光通信等を利⽤した宇宙通信ネットワークの検討
B. ⻑距離衛星光通信機器の競争力獲得の検討
C. 光通信静止衛星バスの競争力獲得の検討
ステップ1 衛星光通信に関する中⻑期的な需要調査
ステップ2 需要調査の結果を踏まえ技術的要件・国際競争力確保のための要件検討
ステップ3 採⽤し得る技術開発方針や必要な技術開発事項等の検討
近年、地球周辺の宇宙空間に⼈工衛星をノードとする衛星ネットワーク(NW)を構築する活動が世界的に進行中です。今後、衛星NWは、各国において、あらゆる衛星と繋がる重要な社会基盤となります。衛星通信における電波の周波数資源のひっ迫による衛星光通信への⾼い期待から、光通信端末の「国産化」は、我が国の自立(律)性確保や国際競争力強化に資する重要な課題といえます。弊社は、世界初世界最速の軌道上実証に成功した「GEO-LEO光衛星間通信システム(LUCAS)」の知見を最⼤限に活⽤し、以下の活動を通じて我が国の衛星光通信の継続的な開発推進に貢献します。
A 国内外の官民双方における2030年代以降の衛星光通信への需要調査とターゲット市場絞り込み
B ターゲット市場での競争力確保に必要な仕様と技術課題の抽出
C ターゲット市場でシェア獲得可能な光通信端末の国産化に向けた技術開発計画の策定