養殖産業開発に向けた海洋空間計画およびモニタリングプラットフォームの 実証

本事業で開発するプラットフォームは、衛星データ等の分析により、海藻養殖の適地を分析するポテンシャルマップの生成や、リアルタイムの海洋データによる適地選定・収量予測を行い、海藻養殖産業が持続可能かつ生産性の高い産業に発展するための支援ツールとなるものである。この技術を、海藻養殖産業の振興と産業インフラへの投資により生産量を数倍~数十倍に引き上げることを目指している国や、温暖化・環境変動への対応に迫られている国に提供する。これは特に東アフリカ、北アフリカをはじめとする養殖新興地域に加え、北ヨーロッパ、アジアなど、広範な地域での導入に直結する見込みである。このプラットフォームの開発を通じて、海藻をはじめとする養殖産業に関与する政府機関や研究機関において衛星データが継続的に利用され、持続可能なブルーエコノミーの推進に寄与しながら、収益を生み出せるビジネスモデルを構築することを目指す。






SEIRIOSによる超高精度編隊飛行衛星制御技術の獲得

本研究では超小型衛星によるオンボードリアルタイムでのサブmm級の高精度編隊飛行技術を獲得し、さらにプロジェクト終了後も将来に渡って高精度編隊飛行技術を維持・発展させる体制を構築することを目指す。具体的には「柱1. 超小型衛星による高精度編隊 飛行技術実証衛星SEIRIOSの開発・軌道上運用」、「柱2. 地上での高精度編隊飛行技術実証用の高性能地上実験装置群の開発・整備」、「柱3. 高精度編隊飛行技術者・利用者のコミュニティ形成」の3つの柱を建て、それぞれを有機的に結合することで衛星 プロジェクトの実現と将来の高精度編隊飛行計画のための体制構築を行う。本研究の肝であるSEIRIOSプロジェクトでは、3機(10kg級 2機, 40kg級 1機)・サブmm制御精度・⾚外線⼲渉計実証という世界最先端の技術実証ミッションを目指す。以上より、高精度編隊飛行技術を日本に根付かせ、複数衛星編隊飛行を用いた宇宙ミッションが当たり前となる世界を切り開く。





半永久的Software Defined編隊飛行と宇宙MIMO通信への展開

本研究開発では、Pico級の超小型衛星にてソフトウエア定義型で推進剤フリーの半永久的な新たな編隊飛行技術を研究開発する。さらに宇宙利用拡大のため宇宙MIMO通信を新たな編隊飛行にて構築することを目指す。本研究開発では、1基の衛星から複数基の衛星を分離・展開し、宇宙環境を活用して推進剤フリーの編隊飛行を達成する。また、物理的相互作用を活かしてコンパクトで高精度なソフトウエア定義型の柔軟なシステムを実現し、Pico級衛星でのサブメートル級の精度を達成する。さらに、宇宙MIMO通信により通信容量を大幅に向上させ、多くのIoTデバイスが宇宙と接続可能な新たな宇宙システムを構築する。これにより、ソフトウエアのアップデートのみで即座に異なる目的に対応できる拡張性のあるプラットフォームを提供し、宇宙ビジネスへの参入障壁を低減する。本研究開発では持続可能な宇宙ビジネスを強く後押しする衛星編隊飛行システムの基盤技術を研究開発する。





超多数機の精密制御が可能な編隊飛行技術の構築

1,000~100,000機オーダの多数の超(々)小型衛星を、相対距離をセンチメートル精度で保ちつつ、数十mの範囲に配置してLEO上で編隊飛行させる技術を構築する。これにより、同じ総重量に対して相対的に大規模ないし大電力を要する建造物を宇宙空間に設置でき、NTN direct-to-device通信用の高利得アンテナなど、従来衛星では実現が難しかった産業アプリケーションを期待できる。それぞれの超々小型衛星に電磁石を搭載し、全体が指定の衛星配置となるよう相互に吸引・反発することで配置制御を行う。本技術開発では、各衛星に搭載するリアルタイム分散制御アルゴリズム、衛星間の遅延保証型通信系、配置センシング機構やアクチュエータ制御機構、制御アルゴリズムの低電力・高集積処理系などの主要技術を検討し確立する。多数衛星の挙動を高精度評価するシミュレーション技術も確立する。





情報理論的安全な鍵共有を可能とする小型・低軌道衛星の研究開発

近年計算機の性能の向上により現在使用されている暗号の危殆化が懸念されており、量子コンピュータでも解読が困難と言われている耐量子公開鍵暗号の評価・標準化が進められている。また、将来の盗聴の脅威を払拭できる情報理論的安全な鍵共有技術として量子鍵配送(Quantum Key Distribution; QKD)のネットワーク化が世界各国で開発が進んでおり、日本、欧州、中国で量子鍵配送ネットワークが形成され、地上系QKD技術は成熟しつつある。一方、グローバルQKDの実現には、衛星搭載が現実的であり、中国では2017年に実験に成功、EUにおいても2025年に打ち上げが予定されている。我が国では衛星―地上局における見通し通信路の特徴を生かし、2024年国際宇宙ステーションから可搬地上局での物理レイヤ暗号において秘密鍵共有に成功した。この成功を基に我が国独自の小型・低軌道衛星と可搬型光地上局とでの量子鍵配送・物理レイヤ暗号及び光通信等の機能を300kg級小型衛星に実装し、効率的かつ状況に応じた鍵共有を可能とする。





宇宙光通信ネットワーク実現に必要となる光ルータ基盤技術開発

Beyond 5G(6G)を見据え開発競争が激化している中、衛星通信では現在主流である静止衛星を用いた通信だけでなく、低軌道通信衛星コンステレーションを用いた通信も急速に進展しています。低軌道通信衛星コンステレーションを用いた通信をインターネットのみならずクリティカル通信等の用途に広げるためには、他社の既存システムが提供している衛星を使った地上インターネット網の延長だけでなく、新たに複数衛星を衛星間光通信で接続・連携させた「ネットワーク」を構築することが重要と考えています。このネットワークの機能・性能において、光通信端末は物理的な帯域幅を提供し、ルータは通信品質(相互接続性、高速性、安定性等)を決定づけます。そのため、弊社は「相互接続性、高速性、安定性を備えた宇宙光通信ネットワーク」の実現に向けて重要となる光ルータ基盤技術を技術開発課題として、宇宙事業だけでなく5G事業等の知見も活かし取り組みます。





フォトニック結晶レーザと固体結晶融合による革新的衛星ライダー技術の開発

衛星搭載型の高度計ライダーは、高精度な3次元地形情報の収集や森林物理量の高精度な計測を可能とするため、衛星観測の革新につながる技術として期待されている。しかし、既存の衛星搭載型高度計ライダーは、高度計測に必要な高強度レーザ光を生成するために、多段の増幅器と複雑な光学系を使用しており、光源部が非常に大型であるため、衛星内に複数の光源を搭載することによるイメージング計測を実現することは困難である。そこで、本提案においては、高輝度動作可能な半導体レーザ光源であるフォトニック結晶レーザ(PCSEL)と、大きなエネルギーを蓄積可能な固体結晶を集積化することで、従来と比較して体積1/100以下の超小型高強度短パルスレーザの実現を目指す。さらに、衛星搭載イメージング高度計ライダーの実現に向けて、上記の超小型高強度レーザのアレイ化技術およびビーム走査技術の開発を行うとともに、他の宇宙応用への適用(転用)可能性の検証を行う。





40cm級分解能の⼩型光学衛星システム構築と世界最高⽔準の3次元空間情報⽣成

本技術開発では、高分解能かつ高頻度の3次元情報の取得が可能な光学衛星観測システムを開発し、国内外の多様な公共・産業で活用可能なデジタルツイン環境の提供を実現する。従来は実現が難しかった、デジタル空間での国土・都市・インフラの管理、リスクの予測や対処計画の最適化が行えるようになり、世界の都市のスマートシティ化、自動車・ドローン等の自動制御、正確な災害予測などが可能となる。上記システムの実現に必要となる、①40cm級高分解能・高指向精度の⼩型光学衛星、②複数機の協調運用による立体視観測および50km幅以上の広域観測、③世界最高⽔準の3次元地理空間情報の⽣成および提供からなる一連の光学衛星観測システム技術を開発する。





光通信衛星コンステレーション構築及びシステム実証に係る技術開発

経済安全保障推進法にもある国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等により、通信インフラのレジリエンスとセキュリティは重要な社会課題となっています。なかでも、海底ケーブル等の地上ネットワークの人為的切断や自然災害等による通信断が生じると、社会活動・経済成⾧・安全保障に重大な影響を与えます。弊社は、レジリエントでセキュアであり、また既存のシステムでは実現できていない地上ネットワークからの独立を可能にする、光通信衛星コンステレーションの実現に必要なネットワーク技術の開発と、50年以上にわたり培ってきた宇宙開発能力を最大限活用したシステム実証に技術開発課題として取り組みます。





小型SAR衛星の量産・打上げと段階的性能向上

小型SAR(Synthetic Aperture Radar)衛星コンステレーションに期待する目標として挙げられている、国際競争力や即応性・撮像頻度ニーズを充足する機数整備のため、以下の2点を開発目標を掲げ、技術開発課題を解決する。
(a) 即応・高頻度撮像を実現する小型SAR衛星コンステレーションの構築
 a-1. 量産体制の確立 量産体制の確立と、その確立に必要な衛星の量産、コンステレーションの構築
 a-2. 即応性の実現 オンボードデータ処理装置や、衛星間通信の軌道上実証と、そのユースケースの実証
(b) 国際競争力のある高頻度干渉SARの実現
 b-1. 高頻度干渉SAR実現に必要な軌道制御自律化技術の軌道上実証