小型SAR衛星の量産加速化及び競争優位性確立に向けた機能強化

提案者が事業として取り組んでいる迅速に高精細な観測を行える小型SAR衛星コンステレーションにおいて、早期に36機体制に構築の加速化を実現するために年間6機以上の信頼性の高い量産体制を実現し、プロダクトの競争力強化のために1機あたりの製造コスト最小化と運用コスト最小化を進め、更にプロダクト単体の競争優位性を維持確保するために刈幅拡大や高分解能化等を適用した次世代機への衛星システムのスペックアップを実現する。
また、サービスの迅速性の価値を高めるために、観測リクエストを受けてからプロダクト提供までのレイテンシの短縮を進め、小型SAR衛星コンステレーションによる多頻度観測を活かしたプロダクト高度化を実現する。






多目的衛星コンステレーション群の構築(多様な波⾧・周波数情報を拡張するセンサを搭載した衛星コンステレーションの構築)

波⾧・周波数情報を拡張するセンサの社会実装に向けて、VDES/IoTデータ送受信、RFデータ収集等の複数の機能を有し、異種の衛星とも連携可能な多目的衛星コンステレーション群を構築する。あわせて、上記に必要となる50kg~100kg級の小型衛星の共通量産バス開発・量産体制構築や、異種衛星との統合運用に必要なシステム開発等を実施することを通じて、安全保障、民生利用の両面からの商業用衛星コンステレーション事業基盤の確立を目指す。





テラヘルツ波リモートセンシング衛星による⽉地下浅部の資源探査

電波リモートセンシングは我が国が伝統的に得意とする技術であり、受動観測では、AMSR-EやJEM/SMILES等の実績を有す。THz波を用いると、表⾯に比べて氷の存在可能性がより期待されると共に、採掘が容易な、⽉表⾯直下浅部の情報が得られる。さらに高周波の特徴によりセンサの小型軽量化が可能となる。
本提案は、⽉⾯直下浅部に存在する可能性のある⽔氷や他の資源の有望箇所を推定する目的で①打上ランダーも含めて統合開発することで最適化した衛星センサシステムを軌道上に投入、周回軌道から広域に⽉⾯直下浅部からの放射を受信。②他探査データや地上実験等を合わせた高度な解析アルゴリズム等により放射輝度温度を精度良く決定。③その鉛直/⽔平偏波比等を用いて⽉⾯直下浅部土壌の見かけ誘電率(ABP)の導出を目指すものである。






Am 発熱体と熱電変換デバイスからなる半永久電源システムの開発

本技術開発は、プルトニウム中に生成・蓄積するAm-241を化学分離し、その化合物をペレット化して熱源とした発熱体ユニットと熱電変換デバイスからなる半永久電源システムの要素技術開発であり、以下の7項目からなる。
(1)Amペレット及び封入ピンの作製技術開発、(2)発熱体ユニット設計・試作、(3)打ち上げ時のリスク評価、(4)大規模化に向けた装置・設備・施設の概念検討、(5)発熱体ユニットの耐衝撃波試験、(6)熱電変換デバイスの放射線耐久試験、(7)全体マネジメントとニーズ開拓。
これらの技術開発と検討を進め、実施期間内に約10gのAmを含む封入ピン1本を作製するとともに、発熱体ユニットのプロトタイプ機の設計と部品製作を完了する。並行してA型特別形輸送物承認のための試験データ取得と必要な法規制対応についても準備を進めるとともに、将来の大規模施設実現のため、宇宙分野以外でのニーズ開拓を進める。






展開型エアロシェル技術の地球大気圏突入実証と⽕星着陸機への適⽤

次世代の大気圏突入技術として期待されている展開型エアロシェル技術について、地球低軌道から荷物を帰還させられるレベルまで、大型エアロシェルの製造技術を⾼め、耐熱性能を向上させたエアロシェルを有する実験機を開発し、地球低軌道からの大気圏突入実証試験を実施する。この技術実証の成果により、観測ロケット実験での回収や地球低軌道からの帰還システムの実現を⽬指す。さらに、展開型エアロシェル技術の空気力を効率よく活⽤できる利点が活きる超⼩型⽕星着陸機への適⽤検討を進め、世界にも成功例がない超⼩型(20kg級)の低コスト⽕星着陸機システムを開発する。超⼩型⽕星着陸機を実現するために必要な超⼩型・軽量・省電力の搭載機器群の開発、耐⽕星環境性を評価する地上試験環境の整備を⾏い、地上検証試験で、開発したシステムが⽕星での大気圏突入・着陸環境で成⽴することを確認し、⽕星表⾯への低コスト着陸機の開発を完了する。





自動ドッキング機構のアクティブ機構検証システムの開発

国際協調に基づく月探査が活発化しているなか、我が国のプレゼンスを示すためには、独自技術に裏付けされた、国際的に共通で使用される製品を提供していくことが欠かせない。JAXA主導で開発を進めている国際標準の自動ドッキング機構は、探査のみならず 商用ステーション、物資補給機等との共用化が望めることから、IHIエアロスペースにおいても継続的に販売が見込める将来事業の候補として位置付けている。中でも、物資補給機で必要となるアクティブ機構については、国産補給機を皮切りに、海外への製品の提供による事業化を検討している。事業化に際しては、自動ドッキング機構の宇宙空間での作動を模擬し、確実かつ安全に結合・分離ができることを検証するためのシステムが必要となる。基金の活用にて、日本独自技術による検証システムを整備することで、我が国が自律性・自在性をもってドッキング機構を供給することができるようになる。





米国商業宇宙ステーションへの物資補給システム技術開発、 次世代近傍通信システム技術開発

代表機関である日本低軌道社中は、ポストISSにおける、米国商業宇宙ステーション構築、USCSSの運用・維持、宇宙環境利用の基礎インフラとなる物資補給サービスの提供を通じた「日本の強みを活かした新たな経済圏構築」を出口目標に、物資補給システムの 詳細設計およびその検証を完了させることを成果目標として取り組む。また、ポストISSにおいては、複数の商業宇宙ステーションの運用が想定され、様々な要望を持つ多数のユーザーに提供可能な自在性を有する近傍通信システムが求められる。これを踏まえて、連携機関である三菱電機は、柔軟なユーザビリティを有し、安全確実に高度なランデブ運用を実現する次世代近傍通信システム開発に取り組む。





月測位システム実証衛星及び主要サブシステムの開発

近年、月近傍や月表面における活動の構想や検討が活発に進められており、月測位インフラの整備は運用性の向上に不可欠である。米欧では国際的に協調し月測位インフラや規格を検討・構築するLunaNet構想が進められている。国内では、LunaNet構想に加わることを想定したLunar Navigation Satellite System (LNSS)という月測位システムに関する検討が行われてきた。月測位システムの実現のためには、月周回衛星の高精度な軌道時刻決定が必要であるが、GNSSからの漏れ電波を受信し、得られる観測量をもとにオンボードで実施することで地上局リソースや運用コストを抑えることができる。本技術開発課題では、この軌道時刻決定手法を実現するための航法システムや、高安定の時刻系システムなどの主要サブシステムの開発と統合を実施する。また、超小型衛星技術を利用 して月測位システムの実証衛星を開発することで、開発費用の低減や開発期間の短縮を実現し、国際協調を見据えた効率的な実証を目指す。





自律飛行機能等を有する低軌道モジュールの基本システム設計

日本低軌道社中は、ポストISSにおける、低軌道モジュールの保有・運用による日本としての宇宙環境利用の場と機会の確保を通じた「日本の強みを活かした新たな経済圏構築」を出口目標に、宇宙戦略基金を活用し、官民ユーザの利用要求、米国商業宇宙ステーション事業者の接続要求、日本低軌道社中の事業要求を充足する自律飛行型低軌道モジュールの基本システムの詳細設計を完了させることを成果目標として取り組む。





宇宙利用を加速する低軌道上細胞/結晶自動実験システムの開発

本提案ではライフサイエンス系分野、特に細胞培養と結晶化実験における地球低軌道上での汎用実験システムを開発する。高額な費用、準備期間の長さ、宇宙特有の実験装置、限定的な実験手法、という現行の宇宙実験に対する課題を解決し、実験費用の低減、 民間利用の促進、医療産業と宇宙産業における日本の競争力の強化という出口目標を達成する。この達成に向け、オペレーションの自動化、実用性のある多検体実験、地上品を用いたユーザー主体の宇宙実験遂行を開発成果目標とする。自動化によるクルータイムの削減と品質の安定化は、ユーザーへの再現性の高い成果物とコスト削減に寄与する。また、多検体実験や地上標準品の活用は宇宙実験の実用性や取り組み易さを高め、ユーザー主体の実験系を確立することで宇宙利用を加速させることができる。以上により、国内の宇宙ライフサイエンス研究を活性化することで、日本の競争力強化に大きく貢献できる。