追尾型地上レーザーによる宇宙デブリの超解像監視技術の開発

本計画は、高度600km付近を飛行する1cm以上のデブリを対象として、レーザー照射によってリアルタイム位置計測、軌道予測、カタログ化する「超解像光学観測システム」を実現するための基盤技術確立を目的とする。このシステムは、①デブリを検出、捕捉・追尾するためのレーザー照明サブシステム、②デブリからの反射・散乱光を検出してリアルタイム位置計測・形状把握するサブシステム、及び③軌道予測サブシステムから構成され、3者を一体運用する。そのために、追尾レーザー照明に必要なアクティブフェーズドアレイレーザーによる自動焦点制御、超解像光学観測に必要な分割開口時間重心法とハイブリッド光強度時間干渉法、ならびに測定誤差や重力摂動の影響を低減するAI軌道予測の手法を確立する。将来的には、照明サブシステムのレーザーを増力して最適なデブリ軌道の修正をすることで、地上方式によるデブリ除去が可能となる。






革新的超小型デブリ把握技術とデータ利用実証

本提案では、JAXA で培われた SSA 技術を活用するStar Signal Solutions 株式会社が、天文観測装置 Tomo-eGozenを運用する東京大学木曽観測所と連携し、これまで十分な観測・把握が困難であった 10cm 以下の小型デブリを含む宇宙物体について、低コストかつ高効率にカタログ化するための革新的技術を開発する。あわせて、当該データの商業利用を見据えた実証を行い、人工衛星や宇宙ステーションへの衝突リスク低減に資する次世代の宇宙状況把握(SSA)基盤の実現を目指す。






遠距離から高分解能画像の取得を可能とする逆合成開口レーザレーダ(ISAL)技術の開発

従来検出が困難だった10cm未満の小型デブリや軌道上物体の詳細形状・物理情報の取得を可能にするため、遠距離から高分解能観測が可能な逆合成開口レーザレーダ(IS技術開発課題の概要AL)技術の実用化を目指す。近年、不審衛星や小型デブリの接近により自衛星周辺の物体詳細情報の把握は衛星運用者のリスク管理に不可欠となっている。本開発は代表機関を中心に大学・企業の産学連携で、高ゲイン撮像、オートフォーカス補正、ハイブリッド対象追尾の各技術を開発・統合し、地上および宇宙実証を行う。出口戦略として、代表機関が展開中の宇宙状況認識情報サービス事業へ本センサ技術を組込み、衛星運用者等に高付加価値な軌道上物体情報を提供し、宇宙安全保障および商業利用の両面で国際競争力強化に貢献する。さらに地上転用による防災・減災分野への貢献も期待される。






地上レーザーによる適応型予測制御宇宙デブリ除去技術の開発

本計画は、人工衛星や国際宇宙ステーションにとって危険性が高いサイズのデブリの約90%を占める1~10cmの小型デブリを対象とし、地上レーザーによる除去技術の確立を目的とするものである。必要となる技術は二つあり、①地上から小型デブリを高空間分解で観測する技術と、②地上レーザーにより宇宙デブリの軌道を修正する技術である。観測技術は別途計画中であり、その可能性を見越して、本計画ではレーザーによるデブリ軌道修正技術に特化する。具体的には、「高繰り返しパワーレーザー技術」と「レーザー照射のための適応型制御技術」の開発を推進し、地上レーザーによる宇宙デブリ除去システム実現のための重要な技術課題を解決する。最終的には、これらの技術と、別途開発を計画している「地上レーザーによる宇宙観測システム」の技術を統合し、世界に先駆けて「地上レーザーによる宇宙デブリ除去システム」のプロトタイプ詳細設計へとつなげるものである。






軌道上製造に係る要素技術の開発

軌道上製造技術は、アンテナを始めとする宇宙構造物の大型化やそれらの製造コスト、期間の削減など、地上製造だけでは成しえない新たな製品価値を生み出す技術として期待されている。しかしながら技術的にはまだ実験室段階にあり、商用化には明確な需要に基づく大規模な投資が必要とされている。このような中、近年、ロケットの輸送能力向上や軌道上製造市場の拡大予想を背景に、衛星機器の軌道上組立やリサイクル等の技術開発が国内外で複数企図され活発化している。本提案では軌道上製造の要素技術として、3D 積層、マニピュレータ、形状計測を挙げ、要素試作により各技術課題の解決を図る。そしてこれらをシステムとして統合し、軌道上暴露環境でのサブスケール実証と地上熱真空環境での実証により、TRL を4 相当まで進めることを目指す。基金終了後は、開発パ―トナーとの実用化開発により2035 年頃の事業化を最終目標とする。






宇宙空間向け高機能樹脂材料、軌道上での3D積層造形技術の創出

軌道上での利便性を向上させるオンデマンド製造には、設計データのみで部品を製作可能な3D積層造形技術の適用が不可欠である。特に軽量な樹脂材料は、宇宙への輸送コスト削減の観点から利点を有しており、宇宙環境に耐性を有する3D積層造形用ポリマー材料が望まれる。以上の背景を踏まえ、樹脂真球粒子、ポリマー設計技術、炭素繊維を基盤技術として、粉末床溶融結合法(PBF)および6軸材料押出法(MEX)を中心とする装置開発、ならびに後加工による機能付与も含めた用途開発を実施し、軌道上向け樹脂3D積層造形技術を共創する。具体的には、(1)樹脂PBF向け真球粒子による造形物の高品質化、および宇宙用途に適した高機能ポリマー・炭素繊維複合材料の創出、(2)微小重力場である軌道上への適用を目的とした高重力場PBFおよび6軸MEXの装置開発、(3)部品造形やレーザー誘起グラフェンによるデバイス作製を通じて、軌道上における3D積層造形の実施を目指す。