2030年代以降を見据え、安全保障等の官需を含む国内需要に対応可能な製造能力の確保、および海外市場における機器需要の獲得を⽬指す。この実現のため静止軌道等中⾼度軌道を衛星光通信の中継ノードに加えた、以下のA、B、Cの3テーマで国内外調査と課題抽出、競争力獲得のための開発項⽬検討を実施する。A、Bはステップ1、2で、Cはステップ1から3で調査分析し整理する。最終的に、光通信静止衛星バス(中⾼度軌道を含む)の開発指針、開発項⽬詳細、実現性の検討と整理を行う。市場ニーズへの対応が事業として急務であれば開発計画を整理して行く。
A. 静止衛星光通信等を利⽤した宇宙通信ネットワークの検討
B. ⻑距離衛星光通信機器の競争力獲得の検討
C. 光通信静止衛星バスの競争力獲得の検討
ステップ1 衛星光通信に関する中⻑期的な需要調査
ステップ2 需要調査の結果を踏まえ技術的要件・国際競争力確保のための要件検討
ステップ3 採⽤し得る技術開発方針や必要な技術開発事項等の検討
近年、地球周辺の宇宙空間に⼈工衛星をノードとする衛星ネットワーク(NW)を構築する活動が世界的に進行中です。今後、衛星NWは、各国において、あらゆる衛星と繋がる重要な社会基盤となります。衛星通信における電波の周波数資源のひっ迫による衛星光通信への⾼い期待から、光通信端末の「国産化」は、我が国の自立(律)性確保や国際競争力強化に資する重要な課題といえます。弊社は、世界初世界最速の軌道上実証に成功した「GEO-LEO光衛星間通信システム(LUCAS)」の知見を最⼤限に活⽤し、以下の活動を通じて我が国の衛星光通信の継続的な開発推進に貢献します。
A 国内外の官民双方における2030年代以降の衛星光通信への需要調査とターゲット市場絞り込み
B ターゲット市場での競争力確保に必要な仕様と技術課題の抽出
C ターゲット市場でシェア獲得可能な光通信端末の国産化に向けた技術開発計画の策定
衛星間光通信の実⽤化が近づいてきているが、地上衛星間光通信においては天候や⼤気ゆらぎが光通信性能の妨げとなり、実⽤化にまでは⾄っていない。そのため、⼤気ゆらぎや天候の影響をうけにくい新規波⻑の開拓が求められている。本提案では、衛星への搭載に向けた⻑波⻑系光通信システムの実現に向けて、⻑波⻑系光通信端末の開発及び製造、システム開発や実証までの計画、オールジャパンの連携体制に関わるフィージビリティスタディを実施する。本フィージビリティスタディは、⻑波⻑系光通信端末の通信システム設計の項⽬を中心に、海外市場参⼊に向けて関連する国内外の動向調査の結果に基づき⽇本としての勝ち筋を見出した上で、システム設計検討により⻑波⻑系光通信端末の仕様を固めていくとともに、将来のサービス化の道筋を検討する。これにより、⻑波⻑系光通信端末の海外市場参⼊に向けた⽇本としての勝ち筋を見出し、取り組むべき技術開発課題を明確化していく。なお、本フィージビリティスタディで、通信速度の⾼速化をどこまで実現できるかを検討していく。
Post-ISSでのNASAのCLDプログラム推進など今後、地球低軌道を利用したサービスが増大することで、宇宙ステーションを含めた軌道上で生成されるデータは爆発的に増加することが予想される。一方で、宇宙では電力・熱・宇宙線・重量や体積などに多くの制約条件が存在するため、高度な計算力を持つ最先端のコンピューターをオンボードすることは、厳しい安全要求を満たすための開発・検証にかかるコストや保守性といった点から容易ではない。そこで本研究では、信頼性を担保するアーキテクチャー(異常検出、障害分析、自動復帰) によりRad-Hard (耐放射線) ではない民生品を宇宙で利用可能とすることで高性能・高効率(省電力) なコンピューターを開発、宇宙ステーションや人工衛星などの既存アセットを活用した分散型の"高信頼性"軌道上データセンターの構築、そして軌道上へコンピューティング・リソースを提供する事業化を目指す。
ポストISS における地球低軌道経済圏構築を⽬標に、多様なペイロードの設置ニーズを満たす標準的なインタフェースの具備およびペイロードに対して電⼒等のリソース提供が可能な船外利用プラットフォームを開発の上、地上検証が困難な技術開発項⽬の軌道上実証を通じてTRL 7 相当を達成する。開発完了後は日本モジュールやHTV-XC 等への搭載を通じた事業化に挑戦する。
ElevationSpaceは、J-SPARCで概念検討を進めてきた軌道上から高頻度で物資回収可能な機体と関連する周辺設備を含む物資回収運用システムについて技術開発を行い、エンジニアリングモデルを用いた地上試験、評価を行う。JAXAのHTV搭載小型回収カプセルや自社開発衛星「ELS-R100」の技術を最大限に活用し、高推力軌道変換・軌道離脱技術、高精度揚力誘導・着水回収技術、回収物環境制御技術、再使用技術、有人拠点とのインタフェース技術といった主要技術を確立する。開発するシステムを将来的に商業宇宙ステーションへ物資回収サービスとして提供することにより、国内での高頻度回収を実現し、低軌道利用ユーザに今までにない利用スピードを提供しつつ、日本の宇宙開発における国際的なプレゼンス向上にも貢献する。また、培った技術はElevationSpaceの他事業である再使用・フリーフライヤー型軌道上実証実験プラットフォーム事業や、将来の有人宇宙船開発に応用する。
本提案では、月面インフラ構築を「構想」から具体的な「計画」へと前進させるため、拠点建設候補地の地形と地盤環境データを取得するための測量・地盤調査技術を確立し、月面での技術実証を行う。提案する技術は、①非GNSS環境下で高精細な地形データを取得する測量システム、②レゴリスの力学特性と地層構造を同時に計測するハイブリッド型土質試験システム、③試験装置を月面に展開・設置するロボット機構から構成される。さらに、整地や造成といった月面インフラ建設に共通する「土工」の設計体系を整備し、調査データを反映する調査・設計フローを構築する。本開発は、国土交通省スターダストプログラムの研究成果(TRL3~4)を基に、約4年でTRL6を達成し、2030年度の月面実証を目指す。これらの調査・設計および取得地盤データの管理技術は、国際標準化を見据えた開かれた手法として整備し、国際的な月面活動の展開の加速化に貢献する。
本課題では、月面に豊富に存在するレゴリスをその場利用し、持続的なインフラ構築を実現するため、電子ビームを用いた高効率・高強度なレゴリス凝固技術と、それを可能とする月面移動作業ロボットシステムを開発する。電子ビームによる局所的かつ精密な加熱により、月面上のレゴリスを直接溶融・凝固するプロセスを実現し、将来の着陸パッドや道路、遮蔽壁等の構築に展開可能な技術確立を目指す。移動作業ロボットは、輸送時にはコンパクトに収納でき、月面では安定した四輪走行を実現し、多自由度のマニピュレータアームを備え、電子ビーム装置の運搬・操作を行うとともに、発電用の大面積太陽電池パネルの展開作業や、生成した凝固体を採集し、強度評価・構造解析などの作業を遂行する。また、ベーンせん断試験機によるレゴリスの密度分布計測などの多様な作業を遂行する。月面にてこれらの技術実証を行うことにより、月面拠点構築に道を拓くことを目指す。
持続的な月面活動には月面での資源確保が不可欠である。本開発課題では、資源探査に必要な主要元素(H,Fe,Ti,Al,Mg,Ca,Si,K,Naなど)の濃度と鉱物組成(水氷、チタン鉄鉱、輝石、カンラン石など)を月面で最高10µmの分解能で計測する。計画期間中に装置のフライト品の開発から月面実証・データ取得までを行う。装置は、広角分光カメラ、中性子・ガンマ線センサ、レーザー誘起プラズマ発光分光計、顕微分光カメラからなる。これらを組み合わせて、資源の発見から濃度・総量の評価および存在形態(どの鉱物にどの元素が濃集しているか等)の特定までの手法を実証的に確立する。また、本装置は地質や土質の調査、放射線環境の把握にも寄与する。これを、はやぶさ2、SLIM搭載装置の開発経験を持つ研究者が主導する。さらに、宇宙分野の実績を持つ企業と地上センサの技術を持つ企業を加えたチームを構成し、月面開発の裾野拡大を図る。