背景・目的
我が国の宇宙産業市場規模の拡大に向けては、衛星やロケット等の宇宙機器産業の拡大だけでなく、宇宙機器を利用したソリューション市場の拡大が必要不可欠です。エンドユーザ向けサービス等他産業の拡大や社会課題解決につながる利用産業が成長することにより、ロケット製造・射場や人工衛星製造等の宇宙機器産業も成長するという好循環が実現されます。この観点において、地球観測衛星データ、衛星測位データ、通信衛星を利用したシステム(以下、「衛星データ利用システム」という。)によるソリューションの市場規模を拡大することが、宇宙産業全体の市場規模拡大のカギになります。
衛星データ利用システムは、様々な領域(農林業、水産業、防災・減災、土木、建設、金融・保険、環境、等)において技術開発が進んでおり、例えば、内閣府では政府や自治体の業務の効率化や高度化に向けた衛星の適切な活用を、民間に率先して進めるため立ち上げられた衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォースにおいて、大臣会合等を通じて、衛星データ利用システムの利用実態や課題、推進方策の共有等を行っています。
今後更に衛星データ利用システムの社会実装が加速されることが望まれており、行政のインフラ管理や森林状況把握、海洋状況把握、物流管理等の、効率化や省力化を求める官需及び地域課題に対応しうることが期待されています。しかしながら、こうした需要に対して持続的に価値を提供するためには採算の取れる規模の事業を創出する必要があります。海外企業による国内外の市場でのイニシアチブを取り得る取組が加速する中、 グローバル市場への展開も含めた一定規模以上の市場を見据えられる、ユーザニーズに合致したサービスを提供する国際競争力のあるソリューションの開発が不可欠です。
なお、グローバル市場への展開を目指すに当たっては、海外での事業実証やビジネス展開を行うための、各国・地域特有の情勢、ニーズ、文化、商慣習等への対応や、現地顧客やパートナーとの連携等、民間事業者単独では対応が難しい課題も多くあるため、官民が連携し、重点的に事業実証やビジネス展開を推進していくことが重要です。
一方、我が国衛星事業者がコンステレーション構築計画を進めているなか、これらの事業者が競争力のある体制を継続していくためには、観測し提供される衛星データが国内外において競争力のある質の高い衛星データであることが必要です。また、衛星データを利用したソリューション開発者は多種・多量の異なる衛星システム間のデータを複合的に利用することでより付加価値の高いサービスを開発することが可能となりますが、これには衛星毎の特性を考慮した補正等の高い専門知識が必須であるため、これらを容易とする環境を整備することも必要です。
本テーマでは、社会実装を目的とした衛星データ利用システムの開発・実証の集中支援を行うとともに、衛星データ利用の環境整備を行います。また、併せてグローバル展開を志向するシステム開発・実証への支援を行います。これらにより上記の課題を解決し、また、関係省庁による政府調達や民間投資等を積極的に促進することで、宇宙ソリューション市場の拡大を目指します。
本公募は令和7年7月から10月にかけて実施した公募の追加公募です。今回の追加公募では、技術開発項目(A)衛星データ利用システムの開発・実証(補助)のみを公募対象とします。
なお、本テーマの技術開発マネジメントにおいて、本テーマの推進にあたっては、JAXA は技術開発項目(A)における各補助対象事業のユースケースにおける衛星データ利用及び利用技術開発に関する助言等を行うことに加え、技術開発項目(B)、(C)において整備する開発・実証基盤の活用を含め、事業毎に必要な連携体制、支援体制を意識した関係者の巻き込み、マネジメントを推進することとされています。このため、前回公募を行った技術開発項目(B)、(C)の公募情報についても再掲をしております。また、技術開発項目(B)では、技術開発項目(A)にて支援する衛星データ利用システム開発事業者のみならず、宇宙機器関連事業者等の我が国宇宙関連事業者のグローバル展開にも裨益する基盤整備、支援を実施することとしておりますので、採択後に技術開発項目(B)の採択事業者との連携の検討を求める場合があります。
【参考】関連する宇宙基本計画や宇宙技術戦略の抜粋
宇宙基本計画(令和5年6月 13 日 閣議決定)
4.(2)国土強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現に向けた具体的アプローチ
【基本的な考え方】
防災・減災、国土強靱化や気候変動を含めた地球規模課題の解決と、民間市場分野での幅広いイノベーション創出に貢献し、SDGs の達成やSociety5.0 の実現をけん引するため、宇宙技術戦略に基づき、通信・リモートセンシング・衛星測位システムの利用ニーズに基づいた開発・整備・活用を戦略的に進める。その際、アジャイルな衛星開発手法の導入を拡大するとともに、我が国のロケットを優先的に活用しながら、衛星の宇宙実 証機会を拡充することを通じて、衛星開発・実証サイクルの加速化を図っていく。また、衛星利用による宇宙ソリューションビジネスの海外展開強化や、衛星データの利用拡大、担い手の拡充等を図っていく。
宇宙技術戦略(令和7年3月 25 日 宇宙政策委員会)
2.Ⅲ.(2)①ニーズに即した情報を抽出するための複合的なトータルアナリシス技術 ⅱ.技術開発の重要性と進め方
我が国が様々なデータを複合的に解析する技術を開発し、大規模災害や頻発する風水害への対応、老朽化するインフラの監視、広域海洋監視等、我が国が特に強いニーズを有する分野に適用することは、自律性の観点から重要であるとともに、新たな市場の構築につながる。更に、当該技術に係る我が国の経験の蓄積を活かすことは、我が国の国際競争力の獲得や産業規模の拡大につながることが期待される。(中略)
加えて、こうしたリモートセンシングを活用したソリューション市場は黎明期である。このため、官需だけでなく民需、国内市場だけでなく国際市場への展開も見据えた衛星データ利用の開発・実証を行い、実証結果をふまえた官民におけるソリューションの積極的な実装を進めることが非常に重要である。
<参考>宇宙戦略基金×CONSEO合同イベント~産官学金の衛星データ利用エコシステムの共創~を開催しました
本追加公募に先立ち、2026年8月3日に日本橋ホールにおいて、衛星データ利用システムの開発・実証に取り組む事業者・研究者、ユーザ候補、金融機関等による対話を促進するため、「産官学金による衛星データ利用エコシステムの共創」のためのイベントが開催されました。
本イベントの場において、今回の宇宙戦略基金 第二期 技術開発テーマ「衛星データ利用システム実装加速化事業」の追加公募についての説明会を実施しましたので、本追加公募に応募をご検討されている事業者の方は以下URLからご覧ください。
宇宙戦略基金×CONSEO合同イベント~産官学金による衛星データ利用エコシステムの共創~
資料
※補助金交付に関する詳細は「契約・補助関連」ページをご覧ください
募集期間中に、資料の追加および更新がなされる場合がございます。
本事業への応募を想定する事業者は、本サイトの定期的な確認をお願いいたします。
提出先
本事業は、府省共通研究開発管理システム「e-Rad」にて応募を受け付けます。
詳細はこちらをご確認ください。
採択決定までのスケジュール
公募開始 2026年09月04日
公募締切 2026年11月26日(正午)
一次審査(書面) 2026年12月中旬から2027年01月中旬
二次審査(ヒアリング) 2027年02月上旬から03月上旬
審査結果の通知・発表 2027年03月頃